2006-04-06(Thu): 日本図書館協会の遅すぎる見解

日本図書館協会が3月16日に「国立国会図書館に独立法人化はなじまない −日本図書館協会見解−」を出していたことを知る。なにもないよりはましだが、この対応は遅すぎる。一連の流れを時系列でまとめると次のようになる。

2006-02-01:
自民党行政改革推進本部、国立国会図書館独立行政法人化を求める方針を仮決定

2006-02-02
産経新聞、「国会図書館、独法化へ 自民行革本部、国会改革の目玉に」を掲載
・以降、インターネット上での議論活発化

2006-02-10:
自民党行政改革推進本部、国立国会図書館独立行政法人化を含む「国会事務局改革に関する提言」を承認
国立国会図書館、「国立国会図書館の役割について」記者発表、同内容の文書をサイトで公開
・以降、新聞各紙一斉に報道

2006-03-16
日本図書館協会、「国立国会図書館に独立法人化はなじまない −日本図書館協会見解−」を発表

一ヶ月以上経って発せられる見解がどれほどの意味を持つというのだろうか。

社団法人日本図書館協会定款は、日本図書館協会の目的を次のように定めている。

(目的)
第3条 この法人は、全国の公共図書館大学図書館学校図書館専門図書館、公民館図書部、その他の読書施設及びこれらに関係ある者の連絡、提携のもとに、図書館事業の進歩発展を図り、わが国文化の進展に寄与することを目的とする。

国立図書館への直接の言及はないが、「図書館事業の進歩発展を図り、わが国文化の進展に寄与すること」と国立国会図書館独立行政法人化問題とは無関係なのだろうか。

だが、遅きに失したとはいえ、沈黙するよりはましだろう。日本図書館協会にはこの失策を挽回すべく、緊急シンポジウムを開催するなど、まずは問題の所在を明らかにする取り組みを実現してほしい。

・「国立国会図書館に独立法人化はなじまない −日本図書館協会見解−」(日本図書館協会2006-03-16)【PDF】
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/kenkai/ndl.pdf
・社団法人日本図書館協会定款
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/teikan.htm
日本図書館協会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/