国文学研究資料館、国書基本データベース(著作編)と古典籍総合目録データベースの利用登録制を廃止

国文学研究資料館が国書基本データベース(著作編)と古典籍総合目録データベースの利用登録制を廃止した(2004-04-01)ことを告知した(2004-08-25)。たいへん喜ばしいニュース。
だが、これまでの閉鎖的な方針がそもそも間違っていた。当初、利用登録制をとった理由、利用登録制に対して寄せられた市民の意見、利用登録制を廃止するに至った経緯をまとめ、そして利用登録制の廃止から告知までに4ヶ月を要した事情を責任をもって説明すべきだ。またいまだに「利用登録し,承認された方」「利用は研究の範囲に限」るというわかりにくい利用資格を設けている日本古典文学本文データベースについても、早々に一般公開すべきだろう。できな事情があるなら、その事情を明記するよう望みたい。
いい機会なので、国文学研究資料館のリソース公開姿勢について述べておく。一言でいえば、公開・発信の手法がつたない。電子化すべき資料を選び出し、入手する選択眼の良さ、資料を電子化・データベース化する技量の高さはすばらしい。それだけに「なにを公開するのか/しないのか」「なぜ公開するのか/しないのか」といった背景や事情の説明を欠いていることが実に残念。こうした周辺事情の説明は、一見ささいに思えて軽視されがちなのだろうが、「画竜点睛を欠く」(よくできていても、肝心なところが欠けているために、完全とはいえないこと。「大辞泉」)とは、まさにこのことだ。

・国書基本データベース(著作編)
http://base4.nijl.ac.jp/~koten/
・古典籍総合目録データベース
http://base1.nijl.ac.jp/~koten/
・日本古典文学本文データベース
http://base3.nijl.ac.jp/Rcgi-bin/hon_home.cgi
国文学研究資料館
http://www.nijl.ac.jp/