2005-03-18(Fri):

朝日新聞の夕刊に「ネットに漂う米社会の息苦しさ 作家らの発言集める青山南さん」という記事がある。集英社の「すばる文学カフェ」で「ロスト・オン・ザ・ネット」を連載する翻訳家の青山南さんを紹介している。この連載を抜粋したのが、『ネットと戦争―9.11からのアメリカ文化』(青山南著、岩波新書、735円)。

・ロスト・オン・ザ・ネット
http://subaru.shueisha.co.jp/html/lost/lost_index.html
・すばる文学カフェ
http://subaru.shueisha.co.jp/
・『ネットと戦争―9.11からのアメリカ文化』(青山南著、岩波新書、735円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004309131/arg-22

青山さんの活動自体には異論はないのだが、国内の新聞社や出版社には、日本国内での9.11をめぐる言論に関心はないのだろうか。確かに、枝川公一さんの「WAVEtheFLAG(ウェーヴ・ザ・フラッグ)」が注目されたり、『9月11日・メディアが試された日―TV・新聞・インターネット』(外岡秀俊枝川公一室謙二編著、大日本印刷ICC本部発行、トランスアート市谷分室発売、1785円)が出版されはしたが、その後の関心広がらず、深まっていない印象を受ける。

・WAVEtheFLAG(ウェーヴ・ザ・フラッグ)
http://www.edagawakoichi.com/
・『9月11日・メディアが試された日―TV・新聞・インターネット』(外岡秀俊枝川公一室謙二編著、大日本印刷ICC本部発行、トランスアート市谷分室発売、1785円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887521596/arg-22

日本国内に目を向ければ、当時本誌で「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」と題して紹介し続けたように研究者による実に多様な発信があったのだが……。個別には、『発言―米同時多発テロと23人の思想家たち』(中山元翻訳、朝日出版社、1680円)、『非戦の哲学』(小林正弥著、ちくま新書、777円)、『戦争批判の公共哲学―「反テロ」世界戦争における法と政治』(小林正弥著、勁草書房、3780円)など、当時の活動をまとめた書籍が出版されているが、全体の状況をまとめる試みはされていない。

・「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」(本誌第112号、2001-10-08)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/112.html
・「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」(その2)(第115号、2001-11-17)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/115.html
・「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」(その3)(第121号、2002-01-30)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/121.html
・「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」(その4)(第140号、2002-09-08)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/140.html
・「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」(総集編その1)(第141号、2002-09-29)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/141.html
・「対米同時多発テロ事件をめぐる発信」(総集編その2)(第142号、2002-10-05)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/142.html
・『発言―米同時多発テロと23人の思想家たち』(中山元翻訳、朝日出版社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255001413/arg-22
・『非戦の哲学』(小林正弥著、ちくま新書、777円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480059989/arg-22
・『戦争批判の公共哲学―「反テロ」世界戦争における法と政治』(小林正弥著、勁草書房、3780円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4326601590/arg-22

私はこのような状況は問題だと思うのだが、同じように感じる記者や編集者はいないのだろか。