2006-04-18(Tue): 研究者のブログ

『これからホームページをつくる研究者のために』(仮題)サポートブログに次のようなコメントがあった(2006-04-18)。

ホームページとmixiの普及に触れて、blogの普及に触れないのは違和感があります。以下はよく知られたエントリーだと思いますのでご参考になさってください。

日本のウェブログの歴史(詳細版)2004年06月23日
http://kotonoha.main.jp/weblog/000844_history.html
H-Yamaguchi.net: 研究者のblog February 21, 2005
http://www.h-yamaguchi.net/2005/02/blog.html

ご指摘にはうなずくところが大きいのだが、根本的なところで悩んでいる。ブログが一般にまで普及したのは2005年と考えているが、研究者にとってのブログ利用の出発点をどこに置くべきだろうか。また、どの時点で研究者にとってのブログ利用が普及しだしたとみるべきだろうか。手許に数百人の研究者のブログ一覧を持っている。だが、そのブログを一つひとつみていっても、研究者ブログが一定の普及を見せたという点が見い出せない。

ともあれ、ACADEMIC RESOURCE GUIDEの過去の記事からブログに関するものを探してみた。私自身がはじめてブログを意識したのは2002年12月のようだ。第148号(2002-12-06)の編集日誌(2002-12-04付)で赤尾晃一さんが始めた日本ウェブログ学会を紹介している。以降、2003年の秋から2004年のはじめまで、幾つかのブログを紹介し、2月には次のようなコメントを残している。

2004-02-23(Mon):
今年に入ってブログが目に見えて普及してきている。研究者のブログも増えている。どれくらい増えていくか、どのように発展していくか、楽しみなことだ。さて自分もブログを始めてみようか思案している方には、森山和道さんの「研究者の方々へ、ウェブ日記のすすめ」(本誌第041号、1999-10-06)http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/arg/041.htmlを勧めたい。このエッセイを読んだのを機にブログを始めたり、サイトを開設した方は少なくないのだ。

2004-02-24(Tue):
今度はブログのリストをつくってみたいという気持ちがふつふつと。いや単にいろいろなものから逃避したいという欲求の現われなのだが……。

そして自分自身、2004年の9月にメモという位置づけでブログを始めた。以降、2004年から現在に至るまで、ブログへの言及は続々と増えている。

2004年2月編集日誌を並べてみると「ブログが目に見えて普及してきている。研究者のブログも増えている」という一方で、「ブログのリストをつくってみたい」と書いている。これをみると、当時は研究者のブログは自力でリストにできると思えるくらいの数だったということだろうか。

2005年の2月にはブログのコメントでも指摘いただいた「研究者のblog」という文章が山口浩さんによって書かれている。「研究者のblog」は、これまでふれる機会がなかったが、一部で大きな反響を呼んだ文章であり、一読を進めたい。

さて、自分自身と山口さんと二人だけの観点では決定的ななにかを語れるわけではないが、だいたいの感覚としては2004年から2005年にかけて、研究者のブログが急速に増えたということだろうか。そうだとすると、一般社会でのブログブームをほぼ軌を一にしており、研究者のブログがとりたてて早かったというわけでもないかもしれない。

と、書き連ねてきてしまったが、本当のところはどうなのだろうか。読者の方々のご意見をうかがいたい。

・『これからホームページをつくる研究者のために』(仮題)サポートブログ
http://d.hatena.ne.jp/arg_book/
日本ウェブログ学会
http://www.akaokoichi.net/weblog/
・山口浩「研究者のblog」(2005-02-21)
http://www.h-yamaguchi.net/2005/02/blog.html
・H-Yamaguchi.net(山口浩さん)
http://www.h-yamaguchi.net/