文部科学省、「一家に1枚ヒトゲノムマップ」の配布を開始、サイトを公開

文部科学省が「一家に1枚ヒトゲノムマップ」の配布を開始し、同時にサイトを公開した(2006-04-14)。科学技術週間を記念して公開されたヒトゲノムマップはPDF版で無償でダウンロードできる。また同じ内容のサイトがマップ作成で中心的な役割を果たした加納圭さんが所属する京都大学大学院生命科学研究科によって公開されている。まずはヒトゲノムマップを堪能してほしいが、作成した加納さんの研究テーマが科学教育というだけあって、非常にわかりやすく楽しい科学教材となっている。
ところで、ヒトゲノムマップをめぐる報道のなかで一つ気になったことがある。「世界に1つだけのゲノム」News Weekly Access Top10(2006年4月16日-4月22日)(ITmedia News、2006-04-24)という記事のなかで、次のように指摘されている。

お役所仕事っぽくない遊び心満載のマップになったのは、大学で作ったから、なのかもしれない。

指摘しているのは、ITmedia誌の人気記者・岡田有花さんだが、ここはもう一段掘り下げてほしかった。加納圭さんが所属する加藤和人研究室、ひいては加藤和人さんが参加する文部科学省科学研究費特定領域研究ゲノム4領域は、これまでも「あっとゲノム(ATGenomeCommunication)」や「ゲノムひろば」のように、最新の研究成果をわかりやすく社会に伝えることに相当の努力をしてきている。ヒトゲノムマップが遊び心にあふれた優れた内容になったのは、単に大学がつくったからではなく、文部科学省を含め、このプロジェクトに関わった人々が難解なゲノム研究の成果をいかにわかりやすく社会に還元するか、一貫して心を砕き続けてきたからだろう。加納圭さんをはじめ、プロジェクトに関わったすべての方々に敬意を表したい。

・「一家に1枚ヒトゲノムマップ」(文部科学省2006-04-14
http://stw.mext.go.jp/20060414/
・ヒトゲノムマップ
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/genomemap/
・加納圭さん
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/labs/biosoc/05member/kano.html
・「一家に1枚ヒトゲノムマップ」(京都大学2006-04-18
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/060418_1.htm
・「一家に1枚ヒトゲノムマップ 京大院生が制作、科学施設で配布」(京都新聞2006-04-21
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006042100141&genre=G1&area=K10
・「「一家に1枚ヒトゲノムマップ」公開」(ITmedia News、2006-04-17
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0604/17/news038.html
・「世界に1つだけのゲノム」News Weekly Access Top10(2006年4月16日-4月22日)(ITmedia News、2006-04-24
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0604/24/news068.html
加藤和人研究室
http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~kato/
文部科学省科学研究費特定領域研究ゲノム4領域
http://tokutei.genome.ad.jp/
・あっとゲノム(ATGenomeCommunication)
http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~kato/atgenome/
・ゲノムひろば
http://www2.convention.co.jp/hirobag/