2006-05-22(Mon): 科学技術振興機構(JST)は研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)の積極的な開放を
全国の大学が研究者データベースを公開するようになって久しい。大まかな傾向として、研究業績を中心にまとめた研究者データベースと産学連携の糸口にするための研究者データベースと、2つの傾向がある。いずれの型にせよ、いまや6割程度の大学で研究者データベースが公開されているのではないだろうか。
とはいえ、どの研究者データベースも似たり寄ったりであり、使い勝手の点では特に課題が多い。だが、そのなかで横浜市立大学研究者データベースには、「おっ!」と思わされる点がある。同大の研究者データベースで研究者の個人データをみてほしい。ページの右上に科学技術振興機構(JST)が公開している研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)のデータを表示する仕組みがある。見たところ、Readに提供しているデータを横浜市立大学側でも保存しておき、そのデータを表示しているようだ。
この研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)は、以前は当時の学術情報センター(現・国立情報学研究所)がつくっていた研究者データベースと当時の科学技術振興事業団(現・科学技術振興機構)がつくっていた研究者データベースを統合したもので、日本最大の研究者データベースといえるだろう。
様々な大学の研究者データベース、あるいは研究者の個人サイトをみていて思うことの一つに、なぜ研究者の個人データのページから、研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)内で該当する研究者の個人ページにリンクをしていないのだろう、という疑問がある。その必要性が認識されていないという問題もあるだろう。だが、一つの可能性として、科学技術振興機構の側で研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)の研究者の個人データのページに直接リンクされることを避けたいという意識があることを指摘しておきたい。「ReaDホームページへのリンクについて」に以下のような記述がある。
詳細情報へのディープリンクは研究者本人もしくは当該機関のみとさせて頂いております。
リンクを希望される場合はReaD事務局までご連絡下さい。
このような記述がある理由はわからないが、おそらくはシステムの安定的な運用のため、リンクによる膨大な参照は避けたいという理由があるのではないか。あるいは、単純にリンクはトップページにするべきものだ、という発想があるのかもしれない……。
と、つらつらと書いているが、要するに、研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)のリンク方針を変えるべきではないだろうか。この方針を一つ変えるだけで、研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)の持つ魅力がもっと引き出されると思うのだが……。
・横浜市立大学研究者データベース
http://www.yokohama-cu.ac.jp/res/database/index.html
・研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)
http://read.jst.go.jp/
・ReaDホームページへのリンクについて
http://read.jst.go.jp/common/inquiry.html
・科学技術振興機構(JST)
http://www.jst.go.jp/