2006-06-11(Sun): 台湾出張1日目

仕事で今日から台湾に来ている。台湾というと、旧植民地であり、日本が実に50年間に渡って支配下に置いたという歴史が思い出される。かつて、戦後50年を迎えたときに強く感じたことがある。日本がそれまでの体制から一転し、アメリカを中心とした西側陣営に組み込まれてから過ごした時間こそが、まさに戦後の50年間であり、それと同じだけの年月を台湾は日本の統治下で過ごしたということだ。確か、加藤周一さんのエッセイ「夕陽妄語」に触発されて受けた衝撃だったように思う。もう一つ、台湾映画「非情城市戯夢人生」のラストも印象深い。人形操り師の半生をたんたんとつづる映画が最後に「この年、日本の50年に渡る支配が終わった」というナレーションが入ったと記憶している。
いずれの場合も、50年という年月の重みを感じた出来事だった。突然ふってわいた台湾行きだが、現地に来て思うことが多い。
ホテルにチェックイン後、空き時間に孫文を記念した国父紀念館を訪ねてみた。同行する中国出身の同僚が強く訪問を望んだ場所だ。国父という称号は台湾に限らず、中国本土でも生きており、いまなお人々の尊敬を集めているという。横浜、ロンドン、ハワイと世界中を転々とし、医師であり、また革命家であった孫文の生涯にあらためて関心を持った。一度、伝記や評伝を読んでみようと思う。孫文に関する決定的な一冊といえるものがあれば、ぜひお教えいただきたい。