国土地理院、触地図原稿作成システムを試験公開

国土地理院が触地図原稿作成システムを試験公開した(2006-09-01)。これは視覚障害者が手触りで地理を把握できる地図(触地図)の原稿を作成するソフトウェアで、利用者が自分のパソコンにインストールして使うようになっている。インストール後、国土地理院が公開している「電子国土Webシステム」をインターネット経由で利用し、1/25000レベルの地図データを用いた触地図原稿を作成できる。なお、ソフトウェアの使用にはWindowsXPWindows2000がインストールされたパソコンと実効1Mbps程度以上(実効3Mbps程度を推奨)の通信環境が必要となる。
さて、日本全国の触地図を作成できるというすばらしい機能だが、残念ながら触地図そのものではなく、原稿までしか作成できない。原稿を実際に使える触地図にするには、別途立体コピーの機械が必要となる。立体コピー機がどの程度普及しているかは不明だが、大勢の視覚障害者とその支援者にとっては朗報となる機能だけに、この問題はなんとか解決できないだろうか。たとえば、作成した原稿データを国土地理院に送ると、国土地理院がそのデータを触地図にして返送してくれるというサービスはできないだろうか。もちろん、実費をとってかまわないだろう。十分ニーズがあるはずだ。「社会の基盤となる地理情報の整備」にあたり、「地理情報の基盤を整え、社会の道具とする」という国土地理院の役割に適うこと間違いない。ぜひ実現に向けて検討してほしい。

・触地図原稿作成システム
http://zgate.gsi.go.jp/shokuchizu/
・「触地図原稿作成システムを試験公開−作成対象エリアを全国に」
http://www.gsi.go.jp/WNEW/PRESS-RELEASE/2006/0829.htm
国土地理院の役割
http://www.gsi.go.jp/GSI/OUTLINE/gaiyou.html
国土地理院
http://www.gsi.go.jp/