メディア教育開発センター(NIME)、READ(リメディアル教育eラーニング)を公開

メディア教育開発センター(NIME)がREAD(リメディアル教育eラーニング)を公開した(2006-09-06)。READ(Remedial e-Learning for Ability Development)は大学や高等専門学校高専)の初学者を対象に基礎学力を向上させることを目的としたeラーニングシステムで、現時点では中学1年から高校3年までの数学教材が提供されている。この教材は千歳科学技術大学が北海道内の中学や高校との連携によって作成したもの。利用には教員による申し込みが必要だが、試用するためにゲスト用のIDとパスワードが提供されている。あくまでゲスト用IDで確認した限りではあるが、機能以前にインターフェース面での課題がまだまだ山積しているという印象を受ける。
加えて、次の2点を指摘したい。一つはこのシステムは動作環境をWindows 2000、またはWindows XPに限定しているが、学習支援を目的とするシステムにこのような制約があってよいだろうか。高等教育機関では依然としてMacintoshのシェアも一定程度保たれている。公的機関であるメディア教育開発センター(NIME)が提供するシステムである以上は、動作環境をWindowsに限定することは好ましくないことだ。
もう一つ、READという略称は妥当だろうか。高等教育関係者の多くは「READ」と聞けば、科学技術振興機構が提供するReaD(研究開発支援総合ディレクトリ)を思い浮かべるのではないか。後者には小文字が混在するという違いはあるにせよ、音で聞く限りはまったく同じ名称となっている。すでに一定程度の認知度を持つ同名のシステムが比較的近い分野に存在する以上、別の名称をつけるというのが作法ではないだろか。そして、なによりもこのシステムの今後の普及にも大きく影響するのではないだろうか。

・READ(リメディアル教育eラーニング)
http://read.nime.ac.jp/
メディア教育開発センター(NIME)
http://www.nime.ac.jp/
・「新たに開発したeラーニング・コース(能力開発学習とリメディアル教育)」(「NIME Newsletter」9、2006-08-31
http://www.nime.ac.jp/special/2006_02_1.html
・CIST-Solomon eラーニングシステム(千歳科学技術大学
http://solomon.mc.chitose.ac.jp/ael/
千歳科学技術大学
http://www.chitose.ac.jp/
・ReaD研究開発支援総合ディレクト
http://read.jst.go.jp/