2006-11-12(Sun): 山田園子『ジョン・ロック『寛容論』の研究』(渓水社、2006年、6825円)
政治思想史ホームぺージで「ジョン・グッドウィンおよび関連文献目録」や「ホッブズ『ビヒモス』書誌」、そして「ジョン・ロック『寛容論』四手稿 校訂・翻訳」を公開してきた山田園子さんの著書
・『ジョン・ロック『寛容論』の研究』(渓水社、2006年、6825円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4874409474/arg-22/
が出版された。本書として結実した研究の一環としてつくられたのが上記の「ジョン・ロック『寛容論』四手稿 校訂・翻訳」である。個人サイトで公開してきたリソースと密接に結びついた本書の出版はうれしい。山田さんのお仕事に感謝したい。
ちなみに本書の凡例には次の一文がある。
『寛容論』日本語版は、山田が試みた英語版校訂から作成した。この英語版校訂については、以下のホームページを参照されたい。このホームページは本書の日本語版も掲載する。
http://www.law.hiroshima-u.ac.jp/profhome/yamada/Locke.html
このホームページは2002年4月にアップを開始し、その後、修正更新を続けている。本書刊行後も、ホームページの定期的な更新を行なう。(凡例、iii)
本格的な学術書で著者の個人サイトとの連動を謳った初の事例ではないだろか。
なお、本書の目次は以下の通り。
序章 本書の課題と構成
第1章 『寛容論』四手稿の特質
- 本章のねらい
- 『寛容論』四手稿の特質と執筆経過
- ヘンリー・E・ハンティントン図書館所蔵手稿の構造的特質
- 四手稿から読み取れるロックの寛容論の展開過程
- 小括
第2章 『寛容論』四手稿の課題と背景
- 本章のねらい
- 歴史的背景と問題の所在
- 『寛容論』執筆に至るまで
- 『寛容論』の課題
第3章 『寛容論』における非国教徒観
- 本章のねらい
- 非国教徒論の視点
- 非国教徒観の推移
- 非国教徒の処遇
- 小括
第4章 『寛容論』の包容・寛容策
- 本章のねらい
- 現行国教会護持
- 包容的国教会
- 主教制国教会と非国教徒寛容
- 非国教徒の信仰の自由
- 包容・寛容策
- ロックの包容・寛容策
結び
補章 ロックとキリスト教
- 研究史の整理
- 展望
資料編 『寛容論』日本語版
- 日本語版テキストの編集方針
- 凡例
- 日本語版テキスト
あとがき
また、山田さんには、
・『イギリス革命の宗教思想−ジョン・グッドウィン研究』(御茶の水書房、1994年、6615円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4275015371/arg-22/
・『イギリス革命とアルミニウス主義』(聖学院大学出版会、1998年、6090円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/491583218X/arg-22/
という前著が二冊ある。
・政治思想史ホームぺージ(山田園子さん)
http://www.law.hiroshima-u.ac.jp/profhome/yamada/yamada.htm