2007-02-04(Sun): 「大学研究者の履歴書」に潮木守一さんが登場

広島大学高等教育研究開発センターの「大学研究者の履歴書」で潮木守一さんの連載が始まっている。

・大学研究者の履歴書 - 潮木守一(うしおぎ もりかず)先生
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/html/-rireki-ushiogi.html
・大学研究者の履歴書
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/html/-rireki-top.html
広島大学高等教育研究開発センター
http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/

潮木さんは高等教育論の研究者として、19世紀のドイツにおける近代大学の誕生と、当時のドイツの文部官僚アルトホーフについての研究を深める一方、早くからインターネットの学術利用について発言してきた方でもある。潮木さんの考えの多くは、

・「ポスト・グーテンベルク革命」(「名古屋大学大型計算機センターニュース」27-3、1996-08)
http://www.ushiogi.com/recentpub/postgutenberg.html
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/088.html
・「オンライン・ジャーナルの可能性と課題」(1997-03-10)
http://www.ushiogi.com/onlinejournal.html
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/038.html
・「電子ジャーナル発刊の呼びかけ」(1999-06-03)
http://www.gakkai.ne.jp/jses/bulletin/e_journal.html
・「学術情報とオンライン・ジャーナル−研究者の立場から」(「大学出版」49、2001-06)
http://www.ushiogi.com/recentpub/daigakushuppankyoukai.html
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/109.html

に詳しくまとめられている。特に日本教社会学会の会長という立場からの発言だった「オンライン・ジャーナルの可能性と課題」は、同学会での実際にオンライン・ジャーナルを刊行するという具体的な行動を伴ったものであり、先駆的であり挑戦的なものだった。残念ながら潮木さんの問題提起は、日本教社会学会では受け継がれないでいる。「オンライン・ジャーナルの可能性と課題」が発表された1997年に、潮木さんの提起が真剣に受け止められていれば、日本教社会学会はおろか、日本の人文・社会科学系の学会のインターネット利用もずいぶんと違ったものになっていただろう。

日本教社会学
http://www.gakkai.ne.jp/jses/

閑話休題

「大学研究者の履歴書」である。

【第1回】生い立ち(公開済み)
【第2回】「高等教育」との出会い
【第3回】これまでの研究生活
【第4回】若い高等教育研究者のために

という構成で今後連載されていくようだが、潮木さんにはぜひインターネットの学術利用について、これまでの取り組みを書き留めてほしい。潮木さんの経験は新たな世代にとって貴重な財産となるはずだから。
なお、潮木さんには多数の著作があるが、現在入手しやすいのは以下の2点。いずれも最近の大学改革の流れを意識して書かれている。

・『大学再生への具体像』(東信堂、2006年、2625円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4887136900/arg-22/
・『世界の大学危機−新しい大学像を求めて』(中公新書、2004年、819円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4121017641/arg-22/
・潮木研究室
http://www.ushiogi.com/