2007-02-10(Sat): 理性的な独立行政法人改革を望む
大手メディアでの扱いもごく小さいのでほとんど気づかれていないようだが、独立行政法人の国立博物館と文化財研究所が2007年4月から統合して国立文化財機構になることが決定された。
独立行政法人としての国立博物館と文化財研究所が設立されてからまだ6年である。わずか6年でさらなる統合を行うのは早すぎないか。両法人の統合は「国民の共通財産である文化財の保存及び活用を一層効率的かつ効果的に推進する観点」から2005年に政策評価・独立行政法人評価委員会が勧告していたものだ(「平成17年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」)。両法人が発足した2001年からわずか4年後にはもう再統合が規定路線になっていたわけだ。ものの4年で組織体制を見直すことになった理由を問いたい。本当に両法人を統合する必要があるのだとしたら、むしろ2001年の時点でそうすべきであったろう。行政が見通しを誤ったのか、政治が決断をためらったのか、2001年の時点で大規模な統合を実施しなかた合理的な理由はあるのだろうか。
・「国立博物館と文化財研究所、4月に統合 政府が閣議決定」(朝日新聞、2007-02-09)
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200702090107.html
・国立博物館
http://www.natmus.jp/
・文化財研究所
http://www.nabunken.go.jp/bunkazai/mokuji.htm
・「平成17年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」(政策評価・独立行政法人評価委員会、2005-11-14)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/051114_2_2.html
・政策評価・独立行政法人評価委員会
http://www.soumu.go.jp/hyouka/seisaku-hyoukaiinkai.htm