2007-03-11(Sun): 『書物の日米関係−リテラシー史に向けて』(和田敦彦著、新曜社)

信州大学日本文学ホームページを運営する読書論の研究者・和田敦彦さんが新著『書物の日米関係−リテラシー史に向けて』を刊行した。ちなみに和田さんには、本誌に「近代デジタルライブラリーと日本文学研究」(第146号、2002-11-16)を寄稿していただいたことがある。

信州大学日本文学ホームページ
http://fan.shinshu-u.ac.jp/~wada/
・「『書物の日米関係』刊行しました」(信州大学人文学部教員BLOG - 和田敦彦、2007-03-04
http://fan.shinshu-u.ac.jp/kyouin/wada/2007/03/post_9.html
・「『書物の日米関係』」(新曜社通信、2007-02-22)
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_ce0f.html
・本誌第146号(2002-11-16)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/146.html

目次を紹介しておこう。

序章 日本の書物・イン・アメリカ
第一章 対立する国家、対立するコレクション
第二章 蔵書の記憶、蔵書の記録
第三章 戦時期日本語教育と日本研究
第四章 日本占領と図書購入
第五章 占領と資料収集
第六章 日本の書物をどう扱うか
第七章 書物の鎧
第八章 連携する日本語図書館
終 章 書物と場所、読者を問うこと

非常に興味をそそられる一冊。おススメしたい。

・『書物の日米関係−リテラシー史に向けて』(和田敦彦著、新曜社、2007年2月、4935円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4788510367/arg-22/

なお、この本の元となった「米国日本語図書蔵書史調査プロジェクト」のサイトも公開されている。

・米国日本語図書蔵書史調査プロジェクト(JBC Project)
http://fan.shinshu-u.ac.jp/~jbcp/

同書の正誤表も公開されている。

・『書物の日米関係』の正誤表
http://fan.shinshu-u.ac.jp/~jbcp/errataslip1.txt

ところで、版元である新曜社メールマガジン新曜社<新刊の御案内>第70号(2007-03-08)の編集後記にこんなつぶやきがあった。

昨年10月から、試しに新曜社通信というブログを始めたのですが、すでに挫折。
「あー、今日も天気がよくて、花粉が心配」といったようなことでも、毎日書こうと思っていたのですが。新刊の見本日・配本状況を伝えることができるだけでも、かなりの前進とは思うのですが、まだ活用しきれていません。

自動車メーカーのサイトなどを見ると、新車情報、購入者の声などをブログで上手にすいあげて、自社製品のアピールとしてうまく活用していると思います。出版社としてどういうことができるのか、模索中です。(N)

・「◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第70号■」(新曜社通信、2007-03-08
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/70_4d32.html

少なくともいまの段階で、私はあまり深く考える必要はないと思う。『書物の日米関係』のように新曜社のブログに記事があれば、紹介する側はそこにリンクしたり、トラックバックできる。新曜社の新刊を紹介したいと思ったときに、必ずブログに新刊情報があるという信頼感を醸成することがまず第一ではないだろうか。そして、欲をいえば、そこに情報が集まっているといい。

・「『書物の日米関係』」(新曜社通信、2007-02-22)
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_ce0f.html

についていえば、この記事に

  1. 著者のサイト
  2. 著者のブログ
  3. 自社のサイトの書誌情報
  4. JBC Projectのサイト

へのリンクがあると、このブログが情報のハブとして育っていくだろう。ともあれ、いまは継続することである。継続することで、参照先としての信頼感を育むことである。それが大事だと思う。