2007-03-16(Fri): 東北大学文学部 - 第1回「青春のエッセイ 阿部次郎記念賞」作品募集

東北大学文学部が東北大学の創立100周年を記念して高校生と高専生を対象とした「青春のエッセイ 阿部次郎記念賞」を創設するという。河北新報の記事によれば、「国立大が公募形式の文学賞を設けるのは珍しく、現在創設している国立大はない」らしい。

・「東北大文学部 阿部次郎記念賞を創設 高校生対象に作品公募」(河北新報、2007-03-09)
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/03/20070309t15037.htm

作品の募集は、

  1. 課題作品の部(「世界の中の日本」)
  2. 自由作品の部

の2部門に分けて行われ、部門ごとに最優秀賞1名、優秀賞2名、入選者若干名を表彰するという。選考委員は、

  1. 野家啓一さん(選考委員長・東北大学副学長)
  2. 内舘牧子さん(脚本家)
  3. 西川善久さん(河北新報社編集局長)
  4. 原純輔さん(東北大学大学院文学研究科長・阿部次郎記念館長)
  5. 長谷川公一さん(東北大学大学院文学研究科教授)

の5名。ちなみに原さんと長谷川さんは個人サイトを持っている。

・原純輔のページ
http://www.sal.tohoku.ac.jp/behavsci/Members/hara_j.html
・長谷川公一研究室
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~hasegawa/

詳しい応募規定はサイトに掲載されているが、締切は2007年8月31日 (当日消印有効)ということでまだだいぶ先だ。「とくに熱心に応募された学校に対しては、応募作品の質・応募点数などをもとに学校賞を贈ります」ということなので、読者の方々の中に高校・高専の国語教員の方がいれば、参加を検討してみてはどうだろう。

東北大学文学部 - 第1回「青春のエッセイ 阿部次郎記念賞」作品募集
http://www.sal.tohoku.ac.jp/abe/

なお、念のためにふれておくと、阿部次郎(1883年〜1959年)は夏目漱石の門下の美学者で戦前の東北帝国大学で教授を務めている。エッセイ『三太郎の日記』は旧制高校旧制大学の学生のバイブルとして知られている。今回の募集が「青春のエッセイ」であるのは、『三太郎の日記』とその読まれ方に由来するのだろう。

ちなみに、阿部次郎に関する施設として、東北大学構内に阿部次郎記念館や三太郎の小径、酒田市に阿部記念館がある。また、東北大学附属図書館の特殊文庫には阿部文庫が設けられており、山形県立図書館の縣人文庫にも阿部次郎の項目がある。
さらに薀蓄を続けると、朝日新聞に連載されたサトウサンペイの4コマ漫画「フジ三太郎」の三太郎は『三太郎の日記』にちなむそうだ。

・阿部次郎記念館(準公式サイト)
http://www.geocities.jp/abe_jirou_kinenkan/
・三太郎の日誌 速報阿部次郎記念館
http://blogs.yahoo.co.jp/abe_jirou_kinenkan/
酒田市阿部記念館
http://www.city.sakata.yamagata.jp/Contents/ePage.asp?CONTENTNO=1786
東北大学附属図書館 - 阿部文庫
http://www.library.tohoku.ac.jp/collect/library-intro.html
山形県立図書館 縣人文庫 - 阿部次郎
http://www.lib.pref.yamagata.jp/kenjin/abe.html