2007-03-25(Sun): 「「Web2.0」時代に対応する学術情報発信へ」の反応

川蝉さんのブログ「図書館員もどきのひとり言」の記事「情報管理2007年2月号より」で、

・「「Web2.0」時代に対応する学術情報発信へ−真のユーザー参加拡大のためのデータ開放の提案」(「情報管理」49-11、2007-02-01
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/49/11/49_632/_article/-char/ja

に言及していただいている。

最後のほうに林さんとこの農林水産研究センターがかなりWeb2.0を実現してて、小さいところができるから、大きいところもできるはずといったことがあるのけど、小さいからできた、という面はないんだろうか?あと、実現できる担当者がいたということと。いや、実現できる担当者がいること自体が、その組織の才覚か?
まぁ、NIIや国会にそんな担当者がいないわけもないか。

・「情報管理2007年2月号より」(図書館員もどきのひとり言、2007-03-18)
http://liblog.seesaa.net/article/36541651.html

すでにブログ「図書館退屈男」でも「ちいさな図書館でできること」という記事が書かれ、

はい、その通りだと思います。小さい組織だからこそ職員のアイディアと企画も通りやすく、こういったことも実現できているのでしょう。それが目録やデータベース担当でなく、レファレンス担当という別部署の職員による試作を通じた提案であっても。当然、周囲への説得と理解と協力は必要ですが、その範囲が小さい、ということで。
もちろん、「NIIや国会にそんな担当者がいないわけ」ではなく、彼らが本気になればもっと気合の入った、隙のないシステムを見せてくれるでしょう。その片鱗はデジタルアーカイブポータルでも見られます。

・「ちいさな図書館でできること」(図書館退屈男、2007-03-24)
http://toshokan.weblogs.jp/blog/2007/03/post_9590.html

とコメントされている。

筆者として念のためフォローしておくと、小さい組織だからこそ実現できる、という側面は確かにあるだろう。
ただし、川蝉さんも図書館退屈男さんも指摘しているように、国立国会図書館国立情報学研究所(NII)にそれだけのスキルを持った担当者がいないはずはない。国立国会図書館であれば図書館退屈男さんが挙げているデジタルアーカイブポータルや、以前本誌にも寄稿していただいたCurrent Awareness Portalは、その有力な証明といえる。また、国立国会図書館であれば新設された学術コンテンツサービス研究開発センターの存在やCiNiiにきめ細かに加えられている改善の跡にその可能性を感じさせる。同じことは農林水産研究情報センターよりもう少し規模の大きい大学図書館にもいえるだろう。
結局、問題は図書館退屈男さんが述べるように「本気に」なれるかの一点に尽きるのだ。昨年来、ほうぼうで図書館とWeb2.0をテーマに講演させていただき、記事を執筆させていただいている。ささやかなものではあるが、そういった私の仕事が少しでも援護射撃になり、国立国会図書館国立情報学研究所(NII)、あるいは各地の大学図書館専門図書館、そして公共図書館での組織的な取り組みへと発展するよう願いたい。