お茶の水女子大学、お茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPotを公開

お茶の水女子大学が機関リポジトリお茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPot」を公開した(2007-03-29)。現時点では約300点の研究成果を収めており、新着情報をRSSで配信している。ソフトウェアにはDSpaceを用いているが、サイトのデザインは随所にお茶の水女子大学独自の工夫がみられる。たとえば、トップページに非常にわかりやすくキーワード検索欄を設けている点や、同じくトップページに主題別の収録点数を表示している点は、先行する他大学の機関リポジトリではあまり見受けられない見せ方と使い勝手のうえでの工夫といえるだろう。

お茶の水女子大学130年の教育・研究成果を恒久的に保存し、インターネットで公開することを目的とした発信拠点です。

お茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPotについて
http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/about_teapot.jsp

と高らかに謳っている点も印象的だ。ちなみにTeaPotという名称は、

お茶の水女子大学の「お茶」からTeaをとり、ティーポットのように教育・研究成果を注ぎだすイメージから名づけられました。

お茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPotについて
http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/about_teapot.jsp

とのこと。また、オカメインコをモデルにしたキャラクターが用いられている。キャラクターの活用は意欲的な取り組みだが、せっかく「お茶の水女子大学の「お茶」からTeaをとり、ティーポットのように教育・研究成果を注ぎだすイメージ」を定めたのであれば、ディズニー映画「アラジン」に出てくるように、ティーポットそのものをキャラクター化したほうが効果的だろう。お茶の水女子大学に限らず、他の機関リポジトリでもキャラクターを用いたプロモーションが試みられているが、マーケティングの基本セオリーに則ったプロモーションはもう少し意識されてもよいかもしれない。

上述の通り、使い勝手の点では工夫が目立つが課題がないわけではない。たとえば、上述のキーワード検索欄の場合、トップページの左部のナビゲーションスペースと右部のメインスペースの両方に検索窓が置かれている。これはスペースの無駄遣いであることは否めない。せっかく検索窓を強調するという判断をしたのなら、メインスペースに置いた検索窓の幅を広げて存在感を強めてもよいだろう。逆にナビゲーションスペースの検索窓は削除すれば、その分「TeaPotメニュー」が利用者の視野に入りやすくなり、メニューが目につきやすくなるはずだ。
また、収録された研究成果ごとにみやすい「View!ボタン」が設けられているが、リンク先がPDF形式のドキュメントであるため、何気なくクリックした際、利用者の不快感を誘う可能性がある。これは他の機関リポジトリにも共通してみられる問題だが、お茶の水女子大学の機関リポジトリには随所に工夫が感じられるだけに改善してほしい。

以上のような課題も少なからず感じるが、最近は金太郎飴のように同じ顔をした機関リポジトリが量産されている印象があるだけに、お茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPotの今後に強く期待したい。ブログ「Dspaceインストール日記」の公開にみられるように、オープンな体制でリポジトリ構築にあたってきたお茶の水女子大学のスタッフであれば、より使いやすい「ティーポット」へと高めていってくれるだろう。

お茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPot
http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/
お茶の水女子大学附属図書館
http://www.lib.ocha.ac.jp/index-j.html
・Dspaceインストール日記
http://d.hatena.ne.jp/ocha_repo/
・「Dspaceインストール日記、公開」(新着・新発見リソース、2007-01-05
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070105/1167952952