国立公文書館アジア歴史資料センター、インターネット特別展「『写真週報』にみる昭和の世相」を一部公開

国立公文書館が運営するアジア歴史資料センターがインターネット特別展「『写真週報』にみる昭和の世相」を一部公開した(2007-03-19)。アジア歴史資料センターによるインターネット特別展は、

  1. 日露戦争特別展 −公文書に見る日露戦争(2004-02-09〜)
  2. 公文書に見る岩倉使節団 −智識ヲ世界ニ求メ(2004-12-23〜)
  3. 公文書に見る日米交渉 −開戦への経緯(2005-12-08〜)

に次いで4つ目となる。今回の特別展では1938年から1945年まで発行された週刊グラフ誌「写真週報」が特集される。370冊発行された「写真週報」のうち国立公文書館が所蔵する351冊は、すでにアジア歴史資料センターのサイトで閲覧できるようになっている。「写真週報」は内閣情報部(後に内閣情報局)が刊行したもので、政府の広報宣伝媒体の一つという性格を持っており、今回の特別展では、このような媒体の性格を踏まえたうえで、

  1. 「まず『写真週報』の発行を含めた当時の広報宣伝政策を担当していた政府機関の変遷を、アジア歴史資料センターが提供している公文書に基づいて紹介」
  2. 「その上で、『写真週報』発刊直前の昭和12年(1937年)から終刊をむかえる昭和20年(1945年)までの代表的な歴史上の事象を年表にまとめ、その事象を扱った『写真週報』と、関連する文書資料をアジア歴史資料センターが提供している資料群の中から紹介」
  3. 「トピックスというコーナーを設け、『写真週報』の数多くの記事の中から当時の世相の一側面を端的にあらわしていると思われる写真記事を取り上げ、アジア歴史資料センターが提供している資料群の中の関連資料等とあわせて紹介」

(「特別展にあたって」)
http://www.jacar.go.jp/shuhou/home.html

するとしている。
電子化した資料を史料批判の目を込めつつ紹介する非常に本格的な試みだ。上に引いた「特別展にあたって」の末尾の文章に制作者たちの思いが感じられる。

以上の写真と文書資料は、アジア歴史資料センターが提供している歴史資料のごく一部です。皆さん自身でも関心をもたれた写真などありましたら、本センターの検索システムを使って関連する文書資料を探してみて頂きたいと思います。そしてご自身で複数の歴史資料を付き合わせることでひらける視界の広がりを体験していただき、今後ますますアジア歴史資料センターをご利用いただくきっかけとしていただければ、望外の幸せです。

歴史家の仕事といえるだろう。全面公開が待ち遠しい。

・『写真週報』にみる昭和の世相
http://www.jacar.go.jp/shuhou/
アジア歴史資料センター
http://www.jacar.go.jp/
国立公文書館
http://www.archives.go.jp/
・「アジア歴史資料センター、「公文書に見る日米交渉〜開戦への経緯〜」特別展を公開」(新着・新発見リソース、2005-12-18
http://d.hatena.ne.jp/arg/20051218/1134907360
・「国立公文書館アジア歴史資料センター、「公文書に見る岩倉使節団―智識ヲ世界ニ求メ―」特別展を公開」(新着・新発見リソース、2005-01-03)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20050103/1136270725