2007-08-20(Mon): ブログ読み−「根拠をもって」「自分の言葉で」語れること、続きが楽しみな話
エンジニア視点で考えて「このツールがあれば便利そう、ないし楽しそう」だと思えるアイデアがあったとしても、そこで「なぜか」という問いができて、それに「根拠をもって」「自分の言葉で」答えられることが重要だろう。「便利そう」「楽しそう」と思ったところを言語化せず「なんとなくそう思わないか?」だけで済ますのはまずいし、その理由を自分の言葉にしないで「ユーザの声として満足との答えがある」「ある分野の偉い人がいいものと言ったから」で済ませても不十分だ。分析する側の視点に切り替えて「根拠をもって」「自分の言葉で」の両方を意識して「なぜそのツールが必要なのか」ことが重要ではないか。
・SUZUKI Satoshi「研究の着想を深める方法に関するいくつかのTips」(0x0a、2007-08-17)
http://svslab.jp/0x0a/20070817.html
この指摘に深くうなずく。ウェブプロデューサーとして仕事をしている自分、ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)を発行している自分、どちらの自分にとっても大事な視点だ。
もう一つ。まだ書き出しで「続く」という状態だが、
歴史学研究の作られ方について、一つの特徴…それはときにうらやましくもある特徴があると思うので、ここで紹介します。
・古谷大輔「北欧歴史家会議にみる研究の作られ方」(古谷大輔(歴史学・北欧史)のブログ、2007-08-17)
http://gustav.air-nifty.com/furuya/2007/08/post_11c5.html
という古谷さんの話の続きが気になる。
日本における歴史学研究の多くは、日本における歴史学研究の分野が長らく日本史・東洋史・西洋史という枠組みで構築されてきたために、同じ日本の歴史学研究者であっても、なかなか分野横断的な研究はなされません。
という指摘には感覚的には多くの人が同意すると思うが、北欧歴史家会議で古谷さんがみてとった特徴とはどのようなものだろうか。「続き」が楽しみになる記事だ。
ところで、分野を超えた歴史家というと、『日本における近代国家の成立』『忘れられた思想家−安藤昌益のこと』等を残したハーバート・ノーマン(Edgerton Herbert Norman)が印象的だ。
・『日本における近代国家の成立』(岩波文庫、1993年、903円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003343727/arg-22/
そして、ノーマンの悲劇的な死に際して丸山眞男が寄せた追悼文が思い出される。丸山眞男の追悼文は『クリオの顔−歴史随想集』の巻末に収録されている。未読の方にはぜひ読んでほしい。
・『クリオの顔−歴史随想集』(岩波文庫、1986年、630円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003343719/arg-22/
なお、カナダ大使館図書館は2001年からE・H・ノーマン図書館と命名されており、サイトでは、「E・ハーバート・ノーマン略歴」と「E・ハーバート・ノーマン関係資料」が公開されている。
・カナダ大使館図書館(E・H・ノーマン図書館)
http://www.canadanet.or.jp/library/