2007-09-26(Wed): 『カレントアウェアネス』293号

『カレントアウェアネス』293号が発行された。今回は特に

・澤田大祐「システムズライブラリアン」の位置づけをめぐって」(「カレントアウェアネス」293)
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/ca/item.php?itemid=1072
・筑木一郎「学術情報流通と大学図書館の学術情報サービス」(「カレントアウェアネス」293)
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/ca/item.php?itemid=1077

がとてもよい。

澤田大祐さんの「システムズライブラリアン」の位置づけをめぐって」は、重要な問題提起になっている。私自身、図書館のWeb2.0対応について相当発言してきているが、ではその役割を担うライブラリアンにどの程度のエンジニアリング能力を求めるべきか、悩ましい点と思っている。一度、「システム(ズ)ライブラリアンとは誰か」や「ライブラリアンに求められるエンジニアリングとは何か」といったテーマでディスカッションをしてみたい。図書館系の団体で企画していただけるところはないだろうか。

図書館に限らず、同じことは大学職員についてもいえるだろう。最近、次の記事を読んだ。

大学の情報課でプロは養成できるのでしょうか?これはキャリアパスの問題にも繋がりますが、大学職員の業務はローテーション制で色々な部署をぐるぐる回るのが一般的です。そういった人事では大学のことを全般的に把握することは可能かもしれませんが、ITの高度な専門性を要する職務には対応できません。

・大学におけるITのプロって何だ?(Clear Consideration、2007-09-24)
http://d.hatena.ne.jp/high190/20070924/p1

いわゆるエンジニアとしての技量が求められるのか、それともウェブプロデューサーやウェブディレクターとしての技量が求められるのか、議論を重ねていきたい。

もう一本の研究文献レビューとして書かれた筑木一郎さんの「学術情報流通と大学図書館の学術情報サービス」は引用文献が150本にも及ぶ大作。日本語で書かれた文献を網羅しているだけではなく、過去2〜3年の研究動向をよく伝えている。光栄にも、

図書館界の外から積極的に発言を続けるACADEMICRESOURCE GUIDE の岡本(150) が指摘するように,時代はユーザー参加型の学術情報流通へとシフトしていく可能性もある。そう捉えるならば,大学図書館が主体となり,学術情報のメタデータあるいはコンテンツ自体を開放する事業を展開することが持つ社会的意義は大きい。

と言及していただき、次の2つの論考を挙げていただいている。感謝。

・岡本真「図書館サイトの現状:再点検の必要性と危機感の欠如」(CA1622、「カレントアウェアネス」291、2007年)
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/ca/item.php?itemid=1060
・岡本真「「Web2.0」時代に対応する学術情報発信へ:真のユーザー参加拡大のためのデータ開放の提案」(「情報管理」49-11、2007年)
http://joi.jlc.jst.go.jp/JST.JSTAGE/johokanri/49.632