2008-01-22(Tue): アカデミックリソースとしての最終講義

本日2008年1月22日に東京大学本郷キャンパスで「知的財産法研究の回顧と将来への課題」と題した中山信弘さんの最終講義が行われた。

・「中山信弘教授最終講義のお知らせ」(LPnewsletter、2008-01)
http://www.j.u-tokyo.ac.jp/about/news/list/52.html

ITproが講義内容を伝えている。

・「知財法の権威、東大の中山信弘教授が最終講義」(ITpro、2008-01-22
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080122/291767/

1969年に助手として東京大学に就職。学生時代に師事した教授の下で著作権法の書籍の編集作業を手伝ったことがきっかけで、知財法に興味を持ったという。以来、一貫して知財法を専門としてきた。「当時は、知財法がドイツ語の直訳で『無形財産権法』と呼ばれていた時代。独占禁止法などと共に『諸法』と位置付けられていた。1973年に無形財産権法の専任の助教授となった際も、小さな教室で学生も20人に満たなかった。

今の大学は実務者教育に舵を切っている。それもいいが、時流を超越した研究も必要だろう。学生教育も同様。賞味期限の短い即戦力より、賞味期限の長い未完成の人材の方が重要になるだろう

40年の教員生活を経た中山さんならではの言葉に圧倒される。ブログでも様々な記事が書かれている。

・「中山先生の最終講義」(benli、2008-01-23)
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2008/01/post_f0d7.html
・「中山信弘先生最終講義」(実験農場。、2008-01-24
http://d.hatena.ne.jp/he_knows_my_name/20080124/1201114695
・「知的財産法中山信弘教授最終講義」(ここから。、2008-01-24
http://blog.goo.ne.jp/shiningoto510/e/33d499103105d2ff42f440dc6fbf98f8
・「最終講義等」(NEGLIGEEE MEMO−若手弁護士&若手会計士の日常、2008-01-24
http://blog.livedoor.jp/negligeee/archives/51334047.html
・「大阪行き決定/中山教授の最終講義とか」(It's at your feet. The flower is blooming.、2008-01-24
http://blog.goo.ne.jp/yuuki_614/e/bc088d3b50ecb06dd4859ced8c2ce7e9

ところで、この最終講義は、

screenshot

・UT OpenCourseWare東京大学) - 最終講義
http://ocw.u-tokyo.ac.jp/course-list/final-lectures/

に収められるのだろうか。UT OpenCourseWareでは最終講義を次のように位置づけている。

最終講義について
最終講義は、その先生が行なってこられた研究の足跡の重要な記録であると同時に、その専門分野の進展を俯瞰して学生や社会に伝えるための貴重な機会でもあります。

まったくその通りであることは中山さんの事例で明らかだろう。ぜひ公開してほしい。

ところで、各大学で最終講義が行われる時期となった。しかし、ほとんどの大学でまとまった情報を公開していない。

神戸大学 - 最終講義
http://www.kobe-u.ac.jp/info/farewell-lecture.htm
福島大学 - 最終講義
http://www.fukushima-u.ac.jp/event/info/kougi.html
岐阜大学 - 最終講義
http://www.gifu-u.ac.jp/view.rbz?cd=624

最終講義は卒業生にとっても久しぶりに母校を訪問する機会になるだろう。ぜひ、大学全体での情報発信に取り組んでほしい。