2008-05-11(Sun): もし、Library 2.0派やOPAC 2.0派というものが存在するとしても

あえてとりあげることもないと思いもする……。だが、本意と異なるイメージが広まってもうれしくないので、書いておこう。次のような発言がある。

レコメンドだとか、そういうノイジーな機能を求める人がいる一方、今の、図書館の検索システムって非常に貧弱だ。とくに、主題で検索するとひどい。

・「図書館の検索システムに足りないもの」(ほどよい司書の日記、2008-05-07)
http://moderate.cocolog-nifty.com/hodoyoi/2008/05/post_90ea.html

レコメンドなんて、余計なおせっかいで役に立った試しがない。それより、もっと、いろいろな条件で検索できることの方が重要だ。他人の動向で本なんか読まない。ベストセラーをひたすら追いかけている、わけのわからない老人と違うのだ。

・「練馬区立図書館の貸出し記録保存の問題」(ほどよい司書の日記、2008-02-26)
http://moderate.cocolog-nifty.com/hodoyoi/2008/02/post_9bf1.html

貸出記録の活用を訴えている人々は別にレコメンドの実現だけを求めているわけではないだろう。私自身もその一人。たとえば、貸出記録を活用すれば検索精度が向上する可能性もある。貸出記録の活用=レコメンドの実現だけとはとらえないでほしい。

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ついでに、図書館におけるウェブ活用の可能性を予断抜きに考えたい方におススメの研究や文献を少しだけ紹介しておきたい。否定から入るのではなく、あらゆる可能性をまずは肯定して考えていくことが大事と思う。

たとえば、

・清田陽司さん
http://www.r.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/~kiyota/

の研究は図書館のウェブ活用に関心がある方には知っておいてほしい。その清田さんが経営に関わっている

・株式会社リッテル
http://www.littel.co.jp/

も注目企業の一つ。また、レコメンドの仕組みをきちんと理解したい方には、

人工知能学会誌
http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/journal/contents/

のVol.22 No.6(2007-11)、Vol.23 No.1(2008-01)、Vol.23 No.2(2008-03)に連載された神嶌敏弘さんの「推薦システムのアルゴリズム」を通読することをおススメしたい。

・神嶌敏弘さん
http://www.kamishima.net/jp/