2008-06-15(Sun): 岩手・宮城内陸地震を受けての牛山素行さんに災害情報学者の真骨頂を見る

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昨日発生した岩手・宮城内陸地震だが、盛岡の牛山素行さん(岩手県立大学)のお仕事にとにかく感心し、感動を覚えた。

地震の発生が8時43分。その10分後にはブログに

・「岩手県南部で強い地震」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-14
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_da4b.html

を書き込み(8時53分)、その4分後には同じ内容のメールマガジンを発行している(8時57分)。この時点はこういうメッセージを残している。

盛岡市内の私の身の回りでは特に何も被害や変化はありません。
おそらくこの地震については何らかの調査にはいると思います。
とりあえず速報です。

・「岩手県南部で強い地震」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-14
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_da4b.html
・「disaster-i News」号外(2008-06-14
http://archive.mag2.com/0000071583/20080614085745000.html

その言葉通り、10時26分にはブログで、10時29分にはメールマガジンで、

現在10時30分ですが、これから緊急現地調査に向かいます。おそらく、一関市西部付近を目指すことになると思います。道路事情が不安定ですので、どうなるかはよくわかりません。
前述のように、携帯の通信環境がよくありませんが、可能ならば現地からもブログ更新します。

・「これから現地に行きます」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-14
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_993e.html
・「disaster-i News」号外2(2008-06-14
http://archive.mag2.com/0000071583/20080614102938000.html

と言い残して現地へ。

以降、

・「道路の亀裂」(14時19分)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_0cf2.html
・「一関市磐井川矢櫃ダム付近」(15時40分)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_876a.html
・「同地で別角度」(16時7分)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_35cf.html
・「磐井川沿いの斜面崩壊」(16時44分)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_a64d.html
・「国道342沿いの崩壊」(17時1分)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/342_c03d.html

と、現地で目撃した被害状況を相次いでブログで公開している。22時頃に現地から戻り、ブログとメールマガジンで、

現地調査写真を公開しました。一関市磐井川流域、奥州市付近が中心です。

・「現地調査写真を公開」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-14
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_25d1.html
・「ある自然災害科学研究者の活動」87(2008-06-14
http://archive.mag2.com/0000071583/20080614221051000.html

先ほど大学に戻りました。これより、写真整理に入ります。

・「現地雑感」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-14
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_8a71.html
・「ある自然災害科学研究者の活動」87(2008-06-14
http://archive.mag2.com/0000071583/20080614221051000.html

と早速まとまったレポートを始めている。このとき公開されたのが、

・平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震に関するメモ
http://www.disaster-i.net/disaster/20080614/

である。

そして、一夜明けて本日。19時台に、

・「人的被害の面から」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-15)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_cf1a.html
・「災害時のメール雑感」(豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館、2008-06-15)
http://disaster-i.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_720c.html

を公開している。いずれも簡潔な記事だが、事態が徐々に沈静化する中で考えさせられるところがあるだろう。

ともあれ、地震発生とほぼ同時の迅速な初動から現地調査結果をまとめあげていき、さらには冷静に現状を顧みるところまで、災害情報学の研究者の仕事というものを一貫して見ることができた。冒頭に記したとおり、とにかく感心し、感動を覚え、そして圧倒された。

なお、牛山さんには、

・「災害を斜めから見る」(第201号、2005-01-03)
http://archive.mag2.com/0000005669/20050103001000000.html

をご寄稿いただいたことがある。

・「牛山素行さん、ブログ「豪雨災害と防災情報を研究するdisaster-i.net別館」を公開」(新着・新発見リソース、2006-07-22
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060722/1153529333
・「牛山素行さん、2006年7月梅雨前線豪雨災害研究関係情報を公開」(新着・新発見リソース、2006-07-22
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060722/1153529317
・「牛山素行さん、2006年8月18日岩手県雫石町土石流に関するメモを公開」(新着・新発見リソース、2006-08-21
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060821/1156086256
・「牛山素行さん、リアルタイム豪雨表示システムをリニューアル」(新着・新発見リソース、2007-07-01)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070701/1183295627
・「牛山素行さん、改訂・緊急災害調査の心得を公開」(新着・新発見リソース、2007-08-17)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070817/1187307605