2008-08-18(Mon): ウェブアーカイブの学術利用−各分野でのニーズを知りたい
かねてから過去のサイトを保存するウェブアーカイブに関心を持っている。私のウェブアーカイブに対する関心は、
・「Webアーカイブ」関連の記事
http://d.hatena.ne.jp/arg/searchdiary?word=%2a%5bWeb%a5%a2%a1%bc%a5%ab%a5%a4%a5%d6%5d
をご覧いただければおわかりいただけるだろう。ただ、せっかくなので付け加えると、かねてより
・Web Archive Japan
http://d.hatena.ne.jp/web_archive/
というブログを用意している。なかなか実際にスタートする準備ができないでいるが、ウェブアーカイブに対する関心は並々ならぬものがある。
さて、最近、特に新聞各紙でウェブアーカイブの実現可否が語られている。また、
・「情報の科学と技術」58-8(情報科学技術協会、2008-08-01)
http://www.infosta.or.jp/journal/200808j.html
では、「Webアーカイビングの現状と課題」を特集に組んでいる。ちなみに目次は以下の通り。
- 喜連川優、豊田正史、田村孝之、鍜治伸裕「ボーンデジタル時代におけるウェブアーカイブとその活用基盤としてのSocio-Sense」
- 新保史生「ウェブ・アーカイビングと法」
- 原田隆史「Webアーカイブの仕組みと技術的な特徴」
- 柊和佑、阪口哲男、杉本重雄「世界のWebアーカイブ−IIPC(International Internet Preservation Consortium)を中心にして」
- 武田和也「海外動向との対比からみた日本のWebアーカイビングの課題と展望−国立国会図書館の取り組みを通して」
- 崔錫斗、田窪直規「韓国における国家知識ポータルとオンライン・デジタル資料の納本制度によるWebアーカイビング」
共著を含め12名の執筆者のうち、喜連川優さん、豊田正史さん、新保史生さん、原田隆史さんは知り合いだ。それぞれまったく別々の形でのおつきあいがあるのだが、こういう特集で皆さんが並んでくるとはおもしろい。
・Internet Archive
http://www.archive.org/
を頼るだけではいけないと、私自身は思っている。報道されているように、日本の法体系のもとでウェブアーカイブが合法的に行えるようになるなら、それにこしたことはない。しかし、一方でウェブアーカイブの活用方法は案外限られているという声も聞く。他方、先日の
2008-07-05(Sat):
日本社会心理学会・第52回公開シンポジウム「幸福で豊かなインターネット社会のために、われわれができること、すべきこと−サイコロジストとジャーナリストの対話」
(於・東京都/学術総合センター 一橋記念講堂)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssp/index/sympo_52.html
の会場で知り合いの社会心理学者にご指摘いただいたのだが、ウェブアーカイブは社会心理やCMC(Computer-Mediated Communication)の研究にとっては非常に有用なツールとなるかもしれない。
・「日本社会心理学会シンポジウムで話題提供」(編集日誌、2008-07-05)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080707/1215358835
と、前説が長くなったが、特に研究者や図書館の方々にうかがいたい。Internet Archiveのようなウェブアーカイブが日本でも可能になった場合、皆さんの専門分野の研究や実務にどのような変化・変革が起きるだろうか。ぜひお考えをお聞かせいただきたい。また、すでにウェブアーカイブの必要性を説いている論考があれば、ぜひご教示いただきたい。