2008-08-26(Tue): 佐々木俊尚著『インフォコモンズ』を読む
・「佐々木俊尚著『インフォコモンズ』と宮田加久子ほか著『オンライン化する日常生活』(編集日誌、2008-07-14)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080720/1216545873
で紹介した
・佐々木俊尚著『インフォコモンズ』(講談社、2008年、1365円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062820927/arg-22/
を読み終えた。自分がいま考えていることに大いに参考になる。以下、気になった個所をメモとして記しておく。
受動的に情報共有圏を最適化するためのアーキテクチャーに必要な条件:
- 暗黙ウェブである。
- 信頼関係に基づいた情報アクセスである。
- 情報共有圏が可視化されている。
- 情報アクセスの非対称性を取り込んでいる。
(67〜68頁)
情報へのアクセスを高度化させるための三つの要素:
- 情報の属性(その情報がどのような分野の情報であり、どのような名前を持ち、どのような内容なのか)
- 人々の属性(人々の性別、住居地、年齢、趣味志向など)
- 情報と人々の結びつきの履歴(過去にどの人がどの情報にアクセスしたのかという履歴)
(126頁)
ITのシステムにおけるプライバシー懸念の実体:
- ある種の存在論的不安であって、なんらかの実害を伴うものではない
- ロジカルに定義することは不可能なもの
- 情念でしかない
(136〜137頁)
集合知を形作るもの:
- 送り手側のボランティア精神と受け手側の尊敬の念
(154頁)
人間関係の諸相:
- 方向(同僚か同級生か家族か。といった交友関係のジャンル)
- 距離(その相手と仲が良いのか、縁遠いのかという親密さ)
- 強弱(情報を与える側と与えられる側、命令する側と命令される側という力関係)
(195頁)
・佐々木俊尚公式サイト
http://www.pressa.jp/