2009-04-13(Mon): 公共図書館の源流を訪ねて(2)−掛川・報徳図書館

大日本報徳社
http://www4.tokai.or.jp/dainihonhoutoku/

は、二宮金次郎二宮尊徳)の指導を受けた岡田佐平治、岡田良一郎の父子が全国の報徳運動組織をまとめて設立したもので、敷地内にはいまなお使われている大講堂や、東京にあった有栖川宮邸を移築した仰徳学寮、仰徳記念館が残っている。大講堂の内部も見学し、写真を多数撮ったので、それは後日公開したい。和洋折衷の近代建築が好きな方にはたまらないと思う。

・「公共図書館の源流を訪ねて(1)−掛川・報徳図書館」(編集日誌、2009-03-08)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090309/1236576739

と書いて早や一ヶ月。楽しみにしていた方がいれば申し訳ない。今さらではあるが写真を紹介しよう。

まずは大講堂の外観。

和洋折衷を感じさせる独特の構え。中に入ると前後の額が迫ってくる。

左右を見渡すと、白壁に上のほうが丸くなった窓が見える。

この窓からの採光も十分にあるが、さらに天井にはモダンさを感じさせる電灯がぶらさがっている。

点灯すると、その明るさはなかなかのもの。

そして、階段から2階にあがっていくと、赤いじゅうたんが敷き詰められた桟敷席のようになっている。ある意味、教会風か。

階下の配置がよくわかるだろう。ちなみに100人は収容できるこの建物は、いまでも使われているという。

こちらは、有栖川宮邸を移築した仰徳学寮。

ガラスの大部分は往時のもので、当時の技術水準の限界から微妙に湾曲している。

そして、報徳図書館。外観は先に見たとおりだが、

入口を入ってすぐ正面に当時の受付がある。クローク風の造りだ。かつて、ここではどのような業務が行われていたのだろうか

入口と受付の間には書庫があり、報徳思想を中心とした書籍が収められている。

2階に上がる階段の途中には、創建当時のままの窓枠が残っている。

その他、掛川市内で気になったことを2つ。

掛川市立図書館の駐車場内にある銅像の台座。像本体は戦時中の供出で失われたという。確たる意思を持って台座だけを残しているのかは不明だが、これ以上ない歴史のアーカイブ資料になることだろう。

写真は掛川市役所出張所や掛川信用金庫。歴史のある町並みを意識してつくられているようだ。