京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、伝音アーカイブズで「画像資料にきく「祇園囃子」」を公開(2009-03-10)

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京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターが伝音アーカイブズで「画像資料にきく「祇園囃子」」を公開した(2009-03-10)。

・画像資料にきく「祇園囃子」
http://venus.kcua.ac.jp/databases/zuzou_gionbayashi/
・伝音アーカイブ
http://w3.kcua.ac.jp/jtm/archives/
京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター
http://w3.kcua.ac.jp/jtm/

これは、「洛中洛外図」や「祇園祭礼図」といった京都の風俗を伝える画像資料から、祇園祭りの様子を伝える情景を読み取ったもので、たとえば、有名な「洛中洛外図屏風(上杉家本」からは、

長刀鉾羯鼓稚児〔腕を左右にひろげ、バチを八の字に、やや後ろ〕、束髪の女性か〔正面〕、赤熊〔正面〕2、太鼓持ち・太鼓打ち〔後方、束髪の女性か〕、笛2)[右隻第2扇中]、蟷螂山(御所車は山舞台の上)、四条笠鉾・風流拍子物(棒振り〔棒を空中に放り上げ、赤熊〕、太鼓持ち・太鼓打ち〔太鼓持ち太鼓を右側にふり、左足を前にだす、太鼓打ち右足をあげる、鬼面か、赤熊〕、小鼓〔折れ烏帽子〕、御幣担ぎ〔折れ烏帽子〕4)、函谷鉾(赤熊〔前方〕、束髪の女性か〔後方〕 2)、白楽天山、鶏鉾(赤熊〔前方〕、束髪の女性か〔後方〕2)、岩戸山、船鉾[以上、右隻第3扇中〜下]
http://venus.kcua.ac.jp/databases/zuzou_gionbayashi/browserecord.php?-action=browse&-recid=10

といった情報が読み取られている。現状ではやむを得ないのだろうが、将来的には、

文化遺産オンライン
http://bunka.nii.ac.jp/
・国指定文化財 データベース
http://www.bunka.go.jp/bsys/

といったデータベースと連携していくと、より有用になるだろう。いずれにしても大変な労作だ。

ちなみに、このデータベースは、田井竜一さんを研究代表者とする

・共同研究「祇園囃子の源流に関する研究」(2004年度〜2006年度)
http://w3.kcua.ac.jp/jtm/activities/project/past/gionbayashi2004.html
http://w3.kcua.ac.jp/jtm/activities/project/past/gionbayashi2005.html
http://w3.kcua.ac.jp/jtm/activities/project/past/gionbayashi2006.html

と連動し、その成果として作成されている。上記の共同研究の成果報告にもぜひ目を通してほしい。一つのデータベースができあがるまでの、研究の長さがうかがえるだろう。

・田井竜一
http://kcua.ac.jp/jtm/outline/researchers/tai.html

なお、凡例のページには、「webサイト版の作成にあたっては上田学、竹内有一、東正子の各氏に多大なご尽力をいただきました」と謝辞が記されている。ウェブ公開にあたっての貢献者をねぎらう姿勢にも学びたい。

・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、祇園囃子アーカイブズを公開(2006-07-14)」(新着・新発見リソース、2006-10-08
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061008/1160246597
・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、「能の地拍子研究文献目録 単行本の部」を公開(2006-05-11)」(新着・新発見リソース、2006-10-08
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061008/1160246602
・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、SPレコードデジタルアーカイブを公開(2007-12-21)」(新着・新発見リソース、2008-11-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081116/1226797229
・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、伝音アーカイブズで「音楽文化新聞 記事索引」を公開(2008-02-07)」(新着・新発見リソース、2008-11-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081116/1226799184