2009-09-30(Wed): Googleブックス徒然

グーテンベルクからグーグルへ―文学テキストのデジタル化と編集文献学

朝から、

・「国会図書館の蔵書配信…経産省、近く検討委 日本版「書籍データベース」構想」(読売新聞、2009-09-30
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20090930-OYT8T00305.htm

というニュースが飛び込んできたと思ったら、情報処理学会が、

・「Googleブック検索の提起した課題−その功罪」(情報処理学会2009-09-30
http://www.ipsj.or.jp/01kyotsu/chosakuken/google.html

というリリースを突如配信。様々な動きが噴出してきている。

そんな折に、

・ピーター・シリングスバーグ著、明星聖子大久保譲神崎正英訳『グーテンベルクからグーグルへ−文学テキストのデジタル化と編集文献学』(慶應義塾大学出版会、2009年、3360円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766416716/arg-22/
http://www.kanzaki.com/book/g2g/
http://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=1757

が刊行されたというのも面白い。

目次を掲げておく。

  • 序章
  • 第1章 二一世紀における手稿、本、そしてテキスト
  • 第2章 複雑性、耐久力、アクセス可能性、美、洗練、そして学術性
  • 第3章 書記行為理論
  • 第4章 書記行為を再現するための電子的インフラストラクチャー
  • 第5章 ヴィクトリア朝小説−読みを形づくる形
  • 第6章 電子テキストのじめじめした貯蔵室
  • 第7章 編集文献学の競合する目的を調和させることについて
  • 第8章 聖人崇拝、文化のエンジニアリング、モニュメントの構築、その他の学術版編集の機能
  • 第9章 審美的な対象−「私たちの喜びの主題」
  • 第10章 文学研究における無知

本を巡る事態は一見混沌としつつも、本を従来の本の枠に閉じ込めて考えるのでなければ、明確に一つの方向性に向かって歩み出しているようだ。

と、本のこの先を巡って考えさせられる一日だったが、アカデミック・リソース・ガイド株式会社の法人登記申請を終えた。問題なければ、この日付での設立となる見込み。