2009-10-10(Sat): 岡山市内を探訪

昨日の研修終了後、もう一泊したので今日は一日岡山観光。

まずは、営業距離が日本で一番短い路面電車岡山電気軌道に乗って、かねてから一度訪ねてみたかった岡山市立オリエント美術館へ。

岡山電気軌道
http://www.okayama-kido.co.jp/

岡山市立オリエント美術館では、企画展「岡山市立オリエント美術館30周年記念 オリエント美術館の中のアッシリア」を拝見。

岡山市立オリエント美術館
http://www.city.okayama.jp/orientmuseum/
・オリエン太の美術館日記
http://orienta.exblog.jp/

当館所蔵アッシリアレリーフ「有翼鷲頭精霊像浮彫」とそのモティーフになったといわれるクロハゲワシ剥製の対比展示。

・「アッシリアとペルシア」(オリエン太の美術館日記、 2009-10-02
http://orienta.exblog.jp/10291752/

は確かに素晴らしかった。「有翼鷲頭精霊像浮彫」は複数枚で構成されるレリーフの一枚で、他のレリーフ大英博物館デンマーク国立博物館に収蔵されている。こういった世界中に点在する資料をデジタルアーカイブとしてウェブ上で再構成できようになると楽しい。

岡山市立オリエント美術館 - 有翼鷲頭精霊像浮彫
http://wwwgen.city.okayama.okayama.jp/cgi-bin2/orient/orient.cgi?obj=Detail&SyuzoNo=sc00172320

岡山市立オリエント美術館の小さな工夫で感心したのが、館内外の案内表示にオリエント美術館らしいこだわりがあったこと。こういった細部へのこだわりが、「らしさ」を演出している。

ただ、ミュージアムグッズにはいささかがっかり。「有翼鷲頭精霊像浮彫」を使ったグッズはあるものの、身につけたくなるほどの良さがなかった。また、全般的にエジプト美術を模したグッズが多かったのも残念。「オリエント」にこだわった商品開発を期待したい。

次は徒歩で岡山禁酒会館へ。

・岡山禁酒会館
http://ww61.tiki.ne.jp/~kinsyukaikan/

へ。葛西賢太さんの好著『断酒が作り出す共同性−アルコール依存からの回復を信じる人々』の内容を思い出す。


断酒が作り出す共同性―アルコール依存からの回復を信じる人々
・『断酒が作り出す共同性−アルコール依存からの回復を信じる人々』(葛西賢太著、世界思想社、2007年、2100円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4790712605/arg-22/
・「書評『断酒が作り出す共同性−アルコール依存からの回復を信じる人々』(葛西賢太著、世界思想社、2007年、2100円)」(編集日誌、2007-06-26
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070626/1182788800
・宗教と霊性の研究(葛西賢太さん)
http://ktkasai.cocolog-nifty.com/figurehead/

岡山が誇る商店街である

・表町商店街
http://www.omotecho.or.jp/

を一巡し、地方出版の雄の一つである吉備人出版のオフィスを横目に見た後、林原美術館へ向かう。

吉備人出版
http://www.kibito.co.jp/

後で気づいたが、

絵図で歩く岡山城下町
・倉地克直、乗岡実、猪原千恵、万城あき著『絵図で歩く岡山城下町』(吉備人出版、2009年、1500円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4860692357/arg-22/

という面白そうな本が出たばかりだったようだ。岡山大学附属図書館池田文庫の資料を存分に使った一冊。この本の存在をせめて岡山駅に着いたときに知っていれば、

・「岡山城下町」(ノンちゃん今日もゆく、2009-08-27)
http://kibinon.blog34.fc2.com/blog-entry-122.html

で書かれているような楽しみ方ができたのに……。本、特に地元に関する本をどこに置くべきか、あらためて考えさせられる。これは書店や図書館だけの話ではなく、観光と情報というキーワードで考えていきたい。

・観光情報学会
http://harmo126.complex.eng.hokudai.ac.jp/

さて、林原美術館は、ミュージアムグッズをあてにしていたのだが、ここもいま一つ自分の胸には響かず。

林原美術館
http://www.hayashibara-museumofart.jp/
林原グループ - 美術品は語る
http://www.hayashibara.co.jp/html/bizyutu/
林原美術館 - ミュージアムグッズ
http://www.hayashibara-museumofart.jp/museum/index1.html

同美術館の収蔵品のデザインを生かした美術品・宝飾品等を開発する林原美術ミントのショップものぞいてみたが、やはりしっくりこない。博物館・美術館の収蔵品の再利用という点で非常に期待していただけに残念。

そして、ついに岡山観光の目玉である岡山城と岡山後楽園へ。

岡山城は残念ながら1945年6月29日の岡山大空襲で大部分の城郭が焼失しており、月見櫓と西之丸西手櫓のみが現存する。天守閣等は戦後に再建されたものなので、どうも近くでみると重厚感がない。むしろ、遠目に見た方が威容を感じられる。

岡山市立図書館 - 岡山空襲関連資料リスト【PDF】
http://www.city.okayama.jp/kyouiku/lib/ivent/list/200806kuushuu-list.pdf

天守閣よりは、むしろ本丸内の現物の見せ方が刺激的だった。


掘り返した初期の岡山城の石垣を半地下形式で見れるようにしていたり、本丸御殿の跡地に部屋の区画割りを示したりといった点は、城郭建築の醍醐味を実感させてくれる。

岡山城
http://www.city.okayama.jp/kankou/ujo/

後楽園は、やはり天下の名園。のんびりとした時間を満喫できた。



園内の表示にも工夫があり、園内の案内図に現在見ている方向を示す矢印が添えられている。これには感心。

・岡山後楽園
http://www.okayama-korakuen.jp/

後楽園の正門を出ると正面に岡山県立博物館がある。

岡山県立博物館
http://www.pref.okayama.jp/kyoiku/kenhaku/hakubu.htm

ここが所蔵する国宝「赤韋威鎧」を見たかったのだが、あいにく特別展「土と火のオブジェ−縄文の土器・土偶から現代備前焼まで」の開催中で常設展示は行っていないとのこと。足も棒になったので、ここで断念し、帰京した次第。

ちなみに、一日かけて回った各所は、

・岡山カルチャーゾーン
http://www.harenet.ne.jp/culturezone/

という括りで観光ルートになっている。なかなかうまい仕掛け。