一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センター、学術研究のための政府統計ミクロデータの試行的提供を開始
一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センターが学術研究のための政府統計ミクロデータの試行的提供を開始した(2004-09-03)。「秘匿処理を施した政府統計ミクロデータ(個々の調査票のデータ)」を提供するという。現時点での提供データは、就業構造基本調査、社会生活基本調査、全国消費実態調査で、各調査につき3回分のデータを秘匿処理した上で提供するとのこと。
例によって、利用資格を「大学の講師以上の専任教員」に限り、企業や民間研究機関(財団法人、社団法人を含む)の在籍者に共同利用者としての資格を認めていない。もう少し敷居を低くできないものだろうか。なお、補足しておくと、利用資格を制限する傾向は先行する同種の2サイトにも見受けられる。札幌学院大学社会情報学部が公開する社会・意識調査データベース(SORD)は、「原則として大学等の社会学研究者とする。ただし、データ提供者が認めた場合はそれ以外の研究者・大学院生も対象とする」としている。東京大学社会科学研究所附属日本社会研究情報センターが公開するSSJデータ・アーカイブは、「大学又は研究機関の研究者、教員の指導を受けた大学院生。民間の研究機関の方は原則として利用できませんが、SSJDAへ個票データを寄託されている場合は利用可能としています。教員の指導を受けた大学の学部学生は、以下が利用可能です(これら以外の利用はできません。)」としている。
企業・民間で調査・研究に従事する方々には、このような状態に対する不満や不公平感はないのだろうか。逆に大学に籍を置く研究者の方々は、現状が自らに不当に有利であることへの違和感を感じないのだろうか。
・学術研究のための政府統計ミクロデータの試行的提供
http://rcisss.ier.hit-u.ac.jp/micro/
・一橋大学経済研究所附属社会科学統計情報研究センター
http://rcisss.ier.hit-u.ac.jp/
・社会・意識調査データベース(SORD)
http://www.sgu.ac.jp/soc/sordhp/
・SSJデータ・アーカイブ
http://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/