国立国会図書館、平成17年度利用者アンケート調査結果を公開

国立国会図書館が平成17年度利用者アンケート調査結果を公開した(2006-02-21)。国立国会図書館では2003年度から来館利用者向けのアンケート調査と、主にインターネットを通じた遠隔利用者向けのアンケート調査を隔年で交互に実施している。2005年度(平成17年度)は、8月末から9月上旬にかけて、東京本館、関西館、国際子ども図書館の3施設で来館利用者向けのアンケート調査を行っている。
実際に施設を訪れた利用者に対するアンケートだが、蔵書検索(OPAC)に関する質問が多く、国立国会図書館のインターネット戦略に対する利用者の反応がうかがえる。たとえば、東京本館でのアンケートの

5. 最近1年間で利用した国立国会図書館の遠隔利用サービス(来館しないで利用できるもの)を教えてください。(複数回答可)

という質問には、回答者の約半数にあたる49.1%が、NDL-OPAC国立国会図書館所蔵資料の検索・申込みシステム)を挙げている。NDL-OPACが利用者に浸透してきたとみるべきだろうか。一方、

11. 本日の来館目的の達成度についておたずねします。
(1) 本日の来館目的は達成されましたか。

という質問に否定的な回答をした約10%を対象とした

(2) (1) で「あまり達成しなかった」「達成しなかった」と回答された方にお聞きします。
目的が回達成されなかった理由を教えてください。(複数答可)

という質問には、56.7%が「探している資料が見つからなかった」と答えている。「探している資料が見つからなかった」理由が、NDL-OPCの操作性上の問題によるのか、あるいは蔵書されていないということなのか、ここからは判断できない。だが、

17. 東京本館で改善・充実すべきサービス・項目はどれですか。(複数回答可)

という質問に対して、NDL-OPACを挙げる声が35.0%あったという事実に重ね合わせて考えると、NDL-OPACの認知度と操作性に利用者が課題を感じ、ここから問題の一部が引き起こされていると考えられるのではないか。

なお、集計結果がPDF形式だけで公開されている点はすぐに改めてほしい。過去2年度分の調査結果はhtml形式で公開されている以上、2005年度をhtml形式で公開しない理由はないだろう。また2006年度版の調査結果を公開したことで、2年前に行った利用者アンケート調査との結果比較ができるはずだ。2年の間で利用者の回答にどのような変化があったのか、ぜひまとめて公開してほしい。

・平成17年度利用者アンケート調査結果
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/enquete.html
NDL-OPAC
http://opac.ndl.go.jp/index.html
国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/