産業技術総合研究所活断層研究センター、活断層データベースを大幅改訂(2006-12-20)

産業技術総合研究所活断層研究センターが活断層データベースを大幅に改訂した(2006-12-20)。2005年3月23日の公開以降、2006年8月24日にすでに大幅な改善がなされ、使い勝手を含めた向上がなされていたが、今回さらに

  1. トップページのデザイン変更
  2. 検索入口の追加
  3. 簡易検索機能の追加
  4. 「歴史地震を起こした活断層」の公開
  5. 活断層パラメータ別ランキング」の公開

などの改訂が行われている。
特に「検索入口」にある「検索経路図」の公開はすばらしいアイデアだ。おそらくシステムの仕様を定めた際の遷移図を転用したものだろうが、データベースの内容と機能をわかりやすく伝えている。データベースというと検索キーワードの入力欄があるだけという画面が多く、その中にどのようなデータが収められているのか、その先がどのような画面が展開していくのか、まったく見当がつかないものだ。そのため、せっかくのデータベースも利用者の理解を得られずに、結果宝の持ち腐れとなりかねない。このような問題をこの「検索経路図」を見事に打ち崩している。
また、「歴史地震を起こした活断層」も巧みな仕掛けだ。利用者によってデータベースが検索されるのを待つのではなく、歴史地震という思わずクリックしたくなるテーマで利用者の関心をひきつけている。あえて難点を挙げれば、まだ使われている言葉が難しいことだろうか。たとえば「1995年 北淡活動セグメント」という表現は、高度に専門用語である。もちろん、専門家の利用に特化したデータベースということであれば、いまのままでもいいだろう。だが、一般の市民の目にも耐え得るものを目指すのであれば、「1995年 阪神・淡路大震災(北淡活動セグメント)」としたほうがよりわかりやすい。
ともあれ、今回の一連の改訂では難解に思えるデータベースを非常に親しみやすいものへとイメージを一新している。これまで多くのサイトのリニューアルをみてきたが、これほど見事なリニューアルは記憶にないように思う。活断層データベースのこの目覚しい進展は、責任者・担当者として名前があがっている

  • 責任者
    • 吉岡敏和
  • システム設計・開発担当者
    • 伏島祐一郎、宮本 富士香(産業技術総合研究所
    • 三輪敦志、佐々木達哉、中川泰、後藤克典、安田俊逸(応用地質株式会社)

の各氏(敬称略)の努力の賜物だろう。

活断層データベース
http://www.aist.go.jp/RIODB/activefault/cgi-bin/index.cgi
・検索入口 - 検索経路図
http://www.aist.go.jp/RIODB/activefault/cgi-bin/search_route_chart.cgi
・責任者・担当者
http://www.aist.go.jp/RIODB/activefault/cgi-bin/person.cgi
産業技術総合研究所活断層研究センター
http://unit.aist.go.jp/actfault/
・「産業技術総合研究所活断層データベースを公開」(新着・新発見リソース、2005-04-24
http://d.hatena.ne.jp/arg/20050424/1134800857