2007-01-08(Mon): 著作権の保護期間延長問題について投稿を募集します。

著作権の保護期間延長問題について、特に研究者の方々の投稿を募集します。

すでに本誌でも繰り返し紹介していますように、著作権法の改正が話題になっています。なかでも注目されているのは、著作権の保護期間を現行の著者の死後50年から欧米並みに70年へと延長する案です。この問題について、すでにインターネットの図書館・青空文庫では著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名を開始しています。

インターネットの電子図書館青空文庫が「著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名」を開始した(2007-01-01)。現在、著作権の保護期間を現行の作者の死後50年から、作者の死後70年へと延長するべきか否かが議論されている。青空文庫はこれまで一貫して延長を望まない旨を表明してきたが、ここに至って明確な反対運動を起こすことになったようだ。
この問題は青空文庫に限られたことではなく、文学作品の電子化にあたってきた研究者にとっても他人事ではない。また、日々著作物を生み出す研究者という職業のあり方にも大きく影響するだろう。研究者の声をぜひ聞きたい。

著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名
http://www.aozora.gr.jp/shomei/
・「著作権保護期間延長反対署名活動の開始」(そらもよう、2007-01-01
http://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyouindex.html#000202
・「全書籍電子化計画と著作権保護期間の行方」(そらもよう、2006-01-01
http://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyou2006.html#000174
・「著作権保護期間の70年延長に反対する」(そらもよう、2005-01-01)
http://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyou2005.html#000144

(新着・新発見リソース「青空文庫著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名を開始」、2007-01-05
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070105/1167953121

上の記事にも記しましたが、この問題はこれまで電子テキストの公開に携わってきた研究者はもちろん、研究成果を著作物として生み出す研究者すべてにとって決して他人事ではありません。それにも関わらず、著作権の保護期間を70年にするべきか否かという議論の中では、研究者からの発言はごく限られているように見受けられます。現在のところ賛成反対のいずれであれ、書かれたものの著作権に関する発言の多くが作家や漫画家からなされています。研究者はこのまま沈黙を守っていてよいのでしょうか。

著作権保護期間の延長への賛否に関わらず、研究者の方々はぜひご発言ください。発表の場として本誌の誌面を提供します。投稿いただける方は下記要領を確認のうえ、本誌までメールでお送りください。

投稿要領

  1. 文字数は400字〜800字程度を目安としますが、論旨を十分に伝えるものであればこれ以上でもこれ以下でも構いません。
  2. 掲載にあたっては本名を名乗っていただくようお願いいたします。世間に通用しているペンネームがある場合はこの限りではありません。
  3. 著作権は執筆者本人に帰属します。ただし、本誌サイトでの永続的には公開にはご同意いただいたものとします。
  4. 内容については賛否のいずれであれ構いません。特定個人を過度に批判する内容は避けてください。
  5. 投稿の掲載可否については本誌が最終的な判断を行います。基本的には最低限の校正を行った上ですべてを掲載したいと考えています。
  6. 投稿にあたっては本文を電子メールにそのまま入力するか、テキスト形式のファイル添付でzd2m-okmt@asahi-net.or.jpまでお送りください。

なお、今回の投稿募集は特に研究者への呼びかけを意識したものですが、研究者の定義は皆さまの判断にお任せします。大学等に在籍している職業的な研究者だけが研究者ではない、というのが私の信念です。また、図書館や出版社等、著作権に関わりのある分野で活躍されている方々からの投稿も歓迎します。