2007-09-12(Wed): 林賢紀さんの「Web2.0と図書館サービス」

林賢紀さん(農林水産研究情報センター)から「現代の図書館」45-2(日本図書館協会、2007-06)に掲載された論考「Web2.0と図書館サービス」をいただく。本文中、

・「Web2.0時代の図書館 −Blog, RSS, SNS, CGM」(『情報の科学と技術』56-11、情報科学技術協会、2006-11-01)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004857462/

を引用していただいている。感謝。論考は、

  1. はじめに−新しいWebサービスによる研究者A氏の一日
  2. Web2.0という考え方
  3. 海外の図書館における事例
  4. 国内の状況
  5. 農林水産研究情報センターにおける取り組み
  6. RSSのメリット
  7. 情報センターにおける試行
  8. まとめ

という構成になっており、概論的な部分から農林水産研究情報センターでの事例紹介まで、非常に詳しい内容になっている。特に末尾で述べられている

今後のWeb関連技術の進展への追従と各種の試行を通じ、既存のOPACによる情報検索の枠を超え、特定のインターフェースに依存しない情報提供と利活用が可能な次世代のOPAC、「OPAC2.0」を実現し、書誌データをネットワーク上のデータサービスの基盤を成す公共財として提供できれば幸いである」

という決意表明がすばらしい。膨大な情報が行き来するインターネットにおいても、書誌データはインフラ的な情報になるだけの潜在力を持っている。ただ単に図書館がその流れを掴めていないというのが現状だろう。この状況に対して林さんの挑戦が成功するのか、そしてなによりも林さんの問題提起に応える図書館と図書館員がどのように現れるのか、大いに期待したい。

・農林水産研究情報センター
http://ss.cc.affrc.go.jp/ric/home.html