総務省統計局と統計センター、政府統計の総合窓口(e-Stat)を公開(2008-04-01)

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総務省統計局と統計センターが政府統計の総合窓口(e-Stat)を公開し、同時に統計データ・ポータルサイトと統計GISプラザを閉鎖した(2008-04-01)。

政府統計の総合窓口(e-Stat)
http://www.e-stat.go.jp/
・「政府統計共同利用システムの運用を開始−平成20年4月1日、ITの活用による新しい統計サービスがスタートします!」(総務省、2008-03-31)
http://www.stat.go.jp/info/guide/public/houdou/kyoudou.htm
・「政府統計共同利用システムの運用管理を開始しました」(統計センター、2008-04-01)
http://www.nstac.go.jp/archive/080401.html
・「「政府統計の総合窓口(e-Stat)」運用開始にともなう「統計データ・ポータルサイト」運用終了のお知らせ」(総務省統計局、2008-04-01)
http://portal.stat.go.jp/
・「「政府統計の総合窓口(e-Stat)」運用開始にともなう「統計GISプラザ」運用終了のお知らせ」(総務省統計局、2008-04-01)
http://gisplaza.stat.go.jp/
総務省統計局
http://www.stat.go.jp/
独立行政法人統計センター
http://www.nstac.go.jp/

今回実施された大規模な情報発信体制の変更は、

・各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/

による

電子政府構築計画(2003-07-17)
http://www.e-gov.go.jp/doc/030717CIO.html
電子政府構築計画(2004-06-14)
http://www.e-gov.go.jp/doc/040614/keikaku.html

と、これを受けた

・統計調査等業務の業務・システム最適化計画
http://www.stat.go.jp/info/guide/public/01/02/keikaku.htm

に基づくもので、計画の内容は

総務省 - 統計調査等業務の最適化
http://www.stat.go.jp/info/guide/public/

に詳しい。

新たに公開された政府統計の総合窓口(e-Stat)はトップページで「政府統計に関するワンストップサービス」を謳っている。確かに政府統計を一元的に検索でき、省庁ごとに作成・提供する政府統計を一望できる。政府統計を調べるために、各省庁のサイトに個別にアクセスしなければいけなかった時代を思えば格段の進歩といえるだろう。だが、実際に使ってみると、「ワンストップサービス」を謳うにはまだ課題が多い。たとえば、「インターネット」で検索してみよう。そもそも検索した際のレスポンスがよくないが、検索結果の精度もけっしてよくはない。検索結果として表示される32件のうち上位10件は次のようになる。

  • 情報化社会と青少年に関する調査【1】
  • 企業行動に関するアンケート調査【7】
  • 生産・出荷集中度調査【4】
  • 通信産業基本調査【1】
  • 通信利用動向調査【1】
  • 通信・放送業投入調査【1】
  • 国勢調査【93】
  • 労働力調査【38】
  • 就業構造基本調査【10】
  • 社会生活基本調査【420】

検索精度を発揮するためのアルゴリズムはほとんど考慮されていない。これでは表示されたデータを1件ずつ調べなくてはいけない。情報そのものに一手間でたどりつけるようにするためには、根本的な改善が必要だろう。

他方、メールとRSSによる新着情報配信サービスの提供を始めたことはすばらしい。特にカテゴリ別にRSS経由で新着情報を取得できるのは、政府統計の日常的な利用者にはありがたいことだろう。

・新着情報配信サービス(RSSによる配信)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/rssService.do?method=init

とはいえ、サイトのデザインはもう少し工夫がほしい。トップページが相当縦長になっているため、ページ上部の

「統計データを探す」「地図や図表で見る」「調査項目を調べる」
「統計制度を知る」「統計を学ぶ」「統計サイト検索・リンク集」

とページ下部の

「統計データ新着情報」「公表予定」

が分断されてしまっている。これでは少なからぬ利用者は「統計データ新着情報」「公表予定」の存在に気づかないだろう。

なお、統計データ・ポータルサイトと統計GISプラザの閉鎖に伴い、これまで両サイトで提供されてきた機能の一部が政府統計の総合窓口(e-Stat)に移し替えられている。

・「「統計データ・ポータルサイト」及び「統計GISプラザ」で平成20年3月まで提供していた機能について」(総務省、2008-04-01)
http://www.e-stat.go.jp/estat/html/taiou.html

によれば、

  • 統計データへのガイド→「統計データを探す」
  • ビジュアル統計DB→「統計データを探す」
  • コミュニティ・プロフィールNavi→「地図や図表で見る」 > 都道府県・市区町村のすがた
  • 統計で見る日本の姿→「地図や図表で見る」 > 図表で見る日本の主要指標
  • 各府省横断検索→「統計サイト検索・リンク集」 > 各府省等の統計サイトから探す
  • 府省等統計サイトマップ→「統計サイト検索・リンク集」 > 統計関係リンク集
  • 統計GISプラザ→「地図や図表で見る」 > 地図で見る統計(統計GIS

という継承関係にあるようだ。

・統計データ・ポータルサイトの過去のサイト
http://web.archive.org/web/*/http://portal.stat.go.jp/
・統計GISプラザの過去のサイト
http://web.archive.org/web/*/http://gisplaza.stat.go.jp/

ところで、機能の移動状況をまとめた

・「「統計データ・ポータルサイト」及び「統計GISプラザ」で平成20年3月まで提供していた機能について」(総務省、2008-04-01)
http://www.e-stat.go.jp/estat/html/taiou.html

は有用だが、このページへのリンクは本来、

・「「政府統計の総合窓口(e-Stat)」運用開始にともなう「統計データ・ポータルサイト」運用終了のお知らせ」(総務省統計局、2008-04-01)
http://portal.stat.go.jp/
・「「政府統計の総合窓口(e-Stat)」運用開始にともなう「統計GISプラザ」運用終了のお知らせ」(総務省統計局、2008-04-01)
http://gisplaza.stat.go.jp/

になくてはいけないだろう。旧サイトと新サイトのすべてを知り尽くしている運営者の視点からはわかりづらいことだろうが、利用者の視点に立って必要なとこに必要な情報を配置するという基本を徹底してほしい。

なお、

・政府統計共同利用システムの設計・開発 - 調達実績
http://www.stat.go.jp/info/guide/public/05/kaihatsu.htm#02

によれば、政府統計の総合窓口(e-Stat)の設計・開発は、一般競争入札の結果、以下の企業が受注している。