2008-06-02(Mon): 総長の仕事−研究者としての一面を見せる
京都大学総長の尾池和夫さんが京都大学メールマガジンで「四川省の巨大地震」について語っている。
現在総長を務める尾池さんだが、元来有数の地震学研究者であるだけに非常に詳しい解説となっている。文章の中でも語られているが、総長としての仕事のために京都と東京を往復する中で地震の発生を知り、手元にある情報でこの文章を書いたという。多忙極まりない総長の任にあっても、同時に一人の研究者である姿勢に感動を覚える。
さて、末尾にこうある。
1970年代を中心に行われた中国の地震予報の事業に関しては、現地での取材と中国の原資料からくわしく紹介したことがある。その最初の本『中国の地震予知』(NHKブックス)は、すでに絶版になっているが、京都大学の機関リポジトリに収録してある。
(2008年5月21日、のぞみ号の車中にて)京都大学学術情報リポジトリ 尾池和夫著『中国の地震予知』
http://hdl.handle.net/2433/44055
こういうときに紹介・言及する先として機関リポジトリが使える状態にあることはすばらしい。京都大学附属図書館による日々の運用作業が光る瞬間だ。天災と同様に、紹介や言及の機会はいつやってくるかわからない。だからこそ、そのときは注目を集めないとしても、コツコツとコンテンツの拡大・公開に勤しむ意味があるのだ。
ところで、京都大学のサイトにはメールマガジンのバックナンバーのページはあるものの、最新号がまだ公開されていない。これはもったいない。このように紹介・言及したいこともある。メールマガジンのバックナンバーは発行と同時にウェブでも公開してほしいものだ。
・京都大学メールマガジン
http://www.kyoto-u.ac.jp/m_magazine/mm_index.htm