2008-08-24(Sun): 独立行政法人整理合理化計画の閣議決定以後の動き−国立国語研究所の場合

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2007年12月24日に閣議決定された独立行政法人整理合理化計画によって、様々な独立行政法人が今年度中に姿を変えていく。最近、あらためて独立行政法人整理合理化計画を読み返してみたので、気になる法人について閣議決定以降の動きをまとめてみた。

独立行政法人整理合理化計画
http://www.gyoukaku.go.jp/siryou/tokusyu/h191224/index_dokuhou.html

まず今回は国立国語研究所を取り上げる。国立国語研究所について独立行政法人整理合理化計画は次のように、「国立国語研究所事務及び事業の見直し」と「組織の見直し」を定めている。

国立国語研究所事務及び事業の見直し
【日本語コーパス事業】
○民間事業者等との共同事業とすることについて平成20年度中に検討し、結論を得る。
【病院の言葉を分かりやすくするプロジェクト】
○平成20年度中に廃止する。
【外来語言い換え提案事業】
○平成20年度中に廃止する。
日本語教育事業】
○他の公的日本語教育機関との役割見直し等を行い、事業の廃止を含め平成20年度中に検討し、結論を得る。
【漢字情報データベース事業】
○平成20年度中に廃止する。
【図書館事業】
○平成20年度中に廃止する。

組織の見直し
【法人形態の見直し等】
大学共同利用機関法人に移管する。
【電話応対グループ】
○平成20年度中にHP上でFAQ(よくある質問に対する回答)を掲載するとともに、各担当グループ名及び連絡先を記載することに伴い廃止する。

独立行政法人整理合理化計画 別表 各独立行政法人について講ずべき措置 文部科学省【PDF】
http://www.gyoukaku.go.jp/siryou/tokusyu/h191224/monka.pdf

合理化計画の閣議決定されて2日後の2007年12月26日にまず国立国語研究所が、

国立国語研究所 - 独立行政法人整理合理化計画について【PDF】
http://www.kokken.go.jp/syokai/zyoho_koukai/osirase/seiri_gourika0712.pdf

を発表している。そして組織としての国立国語研究所を「大学共同利用機関法人に移管する」とされたことを受けて、科学技術・学術審議会学術分科会の学術研究推進部会に国語に関する学術研究の推進に関する委員会が設けられている。委員の顔ぶれは以下の通り(敬称略)。

・委員名簿
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/siryo/013/08042511/001.htm

委員会はこれまで都合4回開催され、

毎回の議事録と配布資料が公開されている。

委員会が開催されている2ヶ月の間、関係学会からの動きもみられた。

日本語教育学会は、2008年3月11日に委員会に対して、2008年3月21日には文化庁に対して「国立国語研究所の移管に伴う日本語研究体制の整備・充実について」という要望書を出している。

日本語教育学会 - 緊急報告:「要望書」の提出について
http://wwwsoc.nii.ac.jp/nkg/guide/g-yobosho2008.htm

また、日本語学会は会長の野村雅昭さんが2008年3月14日の第3回委員会に外部有識者として招かれ、

・日本語学会 - 大学共同利用機関設立に関する要望書(2008-03-14)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/siryo/013/08050210/002.htm

を示しつつ意見を述べている。

この第3回研究会の時点ですでに、

・「国語に関する学術研究の推進について」報告(素案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/siryo/013/08050210/004.htm

が示され、2008年3月21日の第4回委員会では、

・「国語に関する学術研究の推進について」報告(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/siryo/013/08050211/001.htm

がまとめられ、2008年4月4日から2008年5月3日にかけて、パブリックコメントの受付が行われている。

・「国語に関する学術研究の推進について」報告(案)に関する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=185000305&OBJCD=&GROUP=

パブリックコメントが何件寄せられたのかは明らかではないが、案は2008年7月7日に

・「国語に関する学術研究の推進について」報告【PDF】
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1040&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000040772

として科学技術・学術審議会学術分科会より発表されている。この報告で明確に示されているのは、

  1. 大学共同利用機関法人への移行に際しては、人間文化研究機構の下に位置づけること
  2. 大学共同利用機関法人への移行後も組織名称としては国立国語研究所を引き継ぐこと

である。

合理化計画で「他の公的日本語教育機関との役割見直し等を行い、事業の廃止を含め平成20年度中に検討し、結論を得る」とされた日本語教育事業のあり方が不透明であったためだろう。2008年7月10日に日本語教育学会会長の尾崎明人さんが朝日新聞に「国立国語研究所の「解体」」を寄稿し、「国立日本語教育研究所」の設立を提言している。

以上がこの半年の動きのようだ。

あらためて年表形式にしておこう。