2008-09-15(Mon): 昨日の「全国図書館大会に向けて−参加者の方々に望むこと」への補遺

昨日の日誌で、

一つ参考になる事例がある。反面教師としてだが……。

・「津田さんが絶望した文化審議会での里中委員・三田委員らの発言」(Copy & Copyright Diary、2008-09-11)
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20080911/p1

・「全国図書館大会に向けて−参加者の方々に望むこと」(編集日誌、2008-09-14)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080914/1221397659

と書いたが、読み返してみると我ながら文意が通らないと思う。このままではリンク先の末廣恒夫さんの記事が「反面教師」のように読めるし、そもそも文化審議会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会の話題がここに出てくる理由もよくわからない。また、一部、当日の参加者に失礼だったと思うところもある。

あらためて補足しておきたい。

末廣さんが、

・「津田さんが絶望した文化審議会での里中委員・三田委員らの発言」(Copy & Copyright Diary、2008-09-11)
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20080911/p1

で、まとめているように、

文化審議会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会第4回
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/04/

での議論は「経済学者の立場から著作権保護期間の延長が社会全体にとってプラスかマイナスかについての発表」に対して、「権利者側の委員からなされた質疑は、その発表の内容踏まえた上での建設的なものはほとんどなく、これまでの自身の主張を繰り返すだけ」というものだった。私自身も

文化審議会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会の第4回議事録
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/04/gijiroku.html

を読んだが、発表を受けての委員である里中満智子さん(漫画家)、瀬尾太一さん(日本写真著作権協会常務理事)、三田誠広さん(作家・日本文藝家協会副理事長)の発言は目まいがするような内容だ。その箇所は末廣さんが的確に引いているが、わざわざ招いた経済学者の発表の趣旨をまったく無視し、個人的な感情に基づく自説の披露に終始している。

この3人の委員の姿勢は、議論によって物事を決めていく上で最も避けるべきものであって、まさに反面教師と思う。これまで何度か図書館関係の方々に、特にいわゆる図書館系のブログで交わされている議論を踏まえないまま、あるいは利用情報の活用方法について正確に理解しないまま、強い反対論を示されたことがある。私はそれは反対ではなく、感情的な固執だと思う。そう思うと、上記の文化審議会小委員会での3委員のふるまいは、他山の石としてほしいと思った次第。

しかし、他方でこの書き方は当日の参加者の方々への配慮に欠くものであったとも思う。参加する方々を一律に里中さん、瀬尾さん、三田さんと同一視しているつもりはないが、あらためて読み返してみるとそう受け取れるところがあるだろう。ここは慎んでお詫びしたい。

ところで、上記のような反論は、たいがい私的なメールでいただくか、講演後の雑談の場で言われるので公の討論にならないことを常々残念に思っていた。今回は図書館業界にとってもかなり公の場であるので、当日参加できない方々にとっても役立つ記録が残せればと思う。

なお、明日以降、今回の準備にあたって、あらためて読み返したウェブ上の記事や書籍、論文を紹介していくつもりだ。参加する方々の参考になれば幸い。