京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、伝音アーカイブズで「音楽文化新聞 記事索引」を公開(2008-02-07)

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京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターが伝音アーカイブズで「音楽文化新聞 記事索引」を公開した(2008-02-07)。

・音楽文化新聞 記事索引
http://jupiter.kcua.ac.jp/jtm/archives/resarc/shinbun/
京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター
http://w3.kcua.ac.jp/jtm/

上野正章さんによって編まれたこの索引では、1941年(昭和16年)12月20日から翌1942年(昭和17年)5月20日までの間、全15回発行された『音楽文化新聞』」の掲載記事の執筆者や記事名を確認できる。創刊日に注目したい。1941年12月20日は日本が真珠湾攻撃やマレー上陸を開始し、日中戦争に続き太平洋戦争が始まった時期である。

当時の記事名からは当時の音楽界がどのような状況にあったのか、感じ取れるだろう。たとえば、創刊第1号には次のような記事がある。

  • 大東亜戦争完遂に楽壇総出陣の構え 日本音楽文化協会でその方向を指示」
  • 「音楽挺身隊も決戦体制整備」
  • 「レコード界ニュース 決戦下の音盤界 各社洋楽盤の対策はどうか?」
  • 大東亜戦争に因んだ舞踊 水木歌壽榮が発表」
  • 「舞踊の頁 海外宣伝策に示唆 好評の東宝舞踊隊 ハノイ公演」

創刊号からして、すでに戦時下の雰囲気を十分に醸し出しているが、わずか半年の間で後の号になるほど戦時色が濃くなっていくことがよくわかる。

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なお、『音楽文化新聞』はその後、『音楽之友』『レコード文化』『国民の音楽』『音楽公論』『吹奏楽』『音響』の他6誌とともに廃刊され、専門誌『音楽文化』と一般誌『音楽知識』に統合されている。この間の事情は、小関康幸さん(国立音楽大学附属図書館)による

・昭和戦中期の音楽雑誌を読む
http://www.ne.jp/asahi/yasuyuki/koseki/read_1a.htm

に詳しい。

・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、祇園囃子アーカイブズを公開(2006-07-14)」(新着・新発見リソース、2006-10-08
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061008/1160246597
・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、「能の地拍子研究文献目録 単行本の部」を公開(2006-05-11)」(新着・新発見リソース、2006-10-08
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061008/1160246602
・「京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター、SPレコードデジタルアーカイブを公開(2007-12-21)」(新着・新発見リソース、2008-11-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081116/1226797229