2009-03-09(Mon): 新しい時代の図書館研究会 第2回研究交流会「図書館の「使い方」を考える。」に参加(1)

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すでに他の方々のレポートも出ており、いささか旧聞に属するが、

2009-02-28(Sat):
新しい時代の図書館研究会 第2回研究交流会「図書館の「使い方」を考える。」
(於・東京都/多摩美術大学八王子図書館)
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/4495

に参加してきたのでそのレポートを。だが、先に他の方々のレポートにふれておこう。

・「いっそ住みたいと思うような多摩美大図書館で新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会に参加してきた」(かたつむりは電子図書館の夢をみるか、2009-03-01
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090301/1235936436
・「報告…新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会」(telescoweb event、2009-03-02
http://event.telescoweb.com/node/9282
・「新しい時代の図書館」(matt | atlas ver.beta、2009-03-02
http://www.mattoct.jp/blog/2009/03/post_417.html
・「開催報告...新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会」(新図書館ラボ、2009-03-02
http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/7232
・「新しい時代の図書館研究会第2回研究交流会」(Traveling LIBRARIAN−旅する図書館屋、2009-03-02
http://d.hatena.ne.jp/yashimaru/20090302

上の2つは主催者サイド、下の2つは参加者サイドからの声。ところで多摩美術大学図書館はせっかく注目されているのだから、ブログを始めればいいのにと思うのだが、難しいのだろうか。

多摩美術大学図書館
http://www.tamabi.ac.jp/tosho/

さて、私のレポート。

考えてみると、多摩美術大学八王子図書館の最寄りの橋本駅で降りるのは初めてかもしれない。

駅前のビルに、

相模原市立橋本図書館
http://www.lib.sagamihara.kanagawa.jp/shisetu/index03.html

が入っていることに気づいた。残念ながら館内を見学する余裕はなかったが、この立地はうらやましい。

さて、多摩美術大学八王子キャンパスは橋本駅からバスで約10分。美大らしく正門前では早速作品が出迎えてくれる。バス車内でid:min2-flyこと、佐藤翔さんとたまたま合流し、大学へ。

正門を抜けて緩い上り坂を上がっていくと、目の前を猫がスタスタ歩いて行く。

ここしばらく図書館と猫の組み合わせが話題なだけに、早速写真を撮ろうとすると、サービス精神旺盛なこの猫が目の前に座ってやおら足を舐めだした。

・「ARGカフェ(2009-02-21)での発表資料を掲載いたします。」(カレントアウェアネス・ポータル、2009-02-23)
http://current.ndl.go.jp/node/11985
・「図書館ネコ「デューイ」、その生涯を終える(米国)」(カレントアウェアネス-E、2006-12-06)
http://current.ndl.go.jp/e574

よく見ると、どうやら怪我をしているようだ。

「ホケカン」に行くんだよ、とアドバイスをして、いよいよ図書館へ。そして眼前に広がる多摩美術大学八王子図書館。

噂に聞いていた通り、『つくる図書館をつくる−伊藤豊雄と多摩美術大学の実験』で読んだ通り、バスの車窓からあれが図書館だろうと察したとおりの外観だ。

つくる図書館をつくる―伊東豊雄と多摩美術大学の実験
・鈴木明、港千尋多摩美術大学図書館ブックプロジェクト編『つくる図書館をつくる−伊藤豊雄と多摩美術大学の実験』(鹿島出版会、2007年、2625円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/430604484X/arg-22/

さて、入口の前には「ネコを中に入れないでください!」との張り紙がある。

いろいろ事情があるのだろうとは思いつつも、入れてあげてほしい気持ちになるがすでに手負いの野良はどこかへ行ってしまった……。

会場につくと、第2回ARGカフェ&ARGフェストで「「新しい時代の図書館研究会」の紹介」としてライトニングトークにご登壇いただいた久慈達也さん(神戸芸術工科大学)が事務局として忙しそうに動いている。聞けば、すでに会場は設営済みという。

なるほど、少し目線を前方、正確には上方(後述)にやると、多摩美術大学八王子図書館が誇るアーケードギャラリーの緩やかな傾斜の中段に持ち運び可能な椅子がひとまとめにされている。

1本あとのバスで到着したid:yashimaruさんとここでまた偶発的に合流しつつ、若干早く着いたので図書館の半分を占めるアーケードギャラリーを見て回る。まず、目についたのが手洗い可能な水道と電熱テーブルのあるキッチン。

これまでそれなりの数の図書館を見てきたが、キッチン設備がこれほど堂々と置かれているのは初めてだ。あいにく大学は春休みの時期だが、学期中は学生がここでラーメンを作ったりしているのだろうか……? 次に目についたのはキッチンの向かいにあるテーブル群。

ここはぜひスターバックスなり、スペシャリティコーヒーの店か、多摩美術大学が誇る産学連携の成功事例であるgoozを誘致してほしい。未来の素敵な風景が見えてくる。

・gooz
http://www.three-f.co.jp/format/gooz.html

その後、伊東豊雄建築設計事務所に在職していた際に図書館の設計にあたった中山英之さん(中山英之建築設計事務所)を研究会を主宰する鈴木明さんにご紹介いただき、天井に設置されたプロジェクターについてご説明いただく。

・telescoweb(鈴木明さん)
http://www.telescoweb.com/
・TOYO ITO
http://www.c-channel.com/c00088/
・Hideyuki Nakayama Architecture
http://www.hideyukinakayama.com/

さらに他の方々に先行して前述の傾斜の秘密を教えてもらう。

建築の世界では4度の傾斜に非常に意味があり、この傾斜を実現することが一種の夢なのだという。たとえば、東京の表参道はまさに4度の傾斜であり、この角度が坂を上っていくときは前の景色を立体的に見せ、坂を下っていくときは前を歩く人の頭が視界から消え、広がりのある風景を味わえるという。

この頃になると、参加者もほぼ集まったようだ。さきほどの椅子に腰かけて、鈴木明さんの趣旨説明を聞く。そした、木の香りが漂う木製のロッカーに荷物をしまい、いよいよ館内ツアーへ。(つづく)