2009-03-25(Wed): 大舞台を前にシカゴ周遊−シカゴの姉妹都市広報、シカゴ建築財団とシカゴ美術館のグッズ、ミレニアムパークでのインタラクション、ICUプチ同窓会のことなど

B11 地球の歩き方 シカゴ 2008~2009

2日前に起きたFedEX機の着陸失敗事故で成田空港の滑走路が閉鎖となり、一時は渡米断念かと大いに心配したが、無事に昼過ぎに離陸し、アメリカ時間の朝9時にシカゴに到着した。

事前に読んだ『地球の歩き方 シカゴ』によれば、シカゴのオヘア空港(O'Hare International Airport)は世界最大の輸送量を誇るという。意外に思えたが、機内誌の巻末にある世界の航空路線図をみると、路線が集中している。なるほど、シカゴは比較的アメリカの中心にあるので、まずアメリカ国内のハブとして発展し、その後、世界のハブ空港になったのだろう。

・『地球の歩き方 シカゴ 2008〜2009』(ダイヤモンド社、2008年、1764円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478055092/arg-22/
オヘア空港(O'Hare International Airport)
http://www.flychicago.com/Ohare/OhareHomepage.shtm

その後、せっかくなので地下鉄ブルーライン(Blue Line)で市内へ移動。

ブルーライン(Blue Line)
http://www.transitchicago.com/riding_cta/systemguide/blueline.aspx

しかし、さすがに世界のハブ空港である。なにせ広いのでいきなり迷いまくる……。"Excuse Me!"を連呼した末にようやく駅にたどり着いたの。

その途中で感心させられる広報を見かけたのでまず紹介しておこう。

わかるだろうか。シカゴと姉妹都市になっている各国都市の都市名と国旗が掲げられている。姉妹都市協定は日本の各都市でも積極的に締結しているが、せっかくの姉妹都市関係を十分に生かせている事例はあまり聞かないし、そもそも自分の住んでいる都市がどこと姉妹都市であるか、あまり知られていないのが実情だろう。この広報が秀逸なのは、シカゴの市民向けではなく、アメリカ国内外を問わず、シカゴ来訪者をターゲットにしていることだ。ようやく到着したシカゴで自国の都市が姉妹都市と知った瞬間、ましてやその都市が自分の住んでいる都市であれば、そのときの喜びや驚きが大きいことは想像に難くない。その一瞬はまさに"Magic Moment"になるだろう。それはシカゴという都市への愛着が大いに深まる瞬間であり、広報としては非常に巧みな演出だ。

ちなみに、この広報は決して空港だけのものではないようだ。その後、市内で訪れたシカゴ・カルチャル・センター(Chicago Cultural Center)にも、"Sister Cities"というコーナーが設けられ、各都市を紹介するカードが配布されていた。

・シカゴ・カルチャル・センター(Chicago Cultural Center)
http://egov.cityofchicago.org/city/webportal/portalEntityHomeAction.do?entityName=Cultural+Center&entityNameEnumValue=128

さて、地下鉄ブルーライン(Blue Line)で市内に出て、まずはシカゴ建築財団(Chicago Architecture Foundation)へ。

・シカゴ建築財団(Chicago Architecture Foundation)
http://www.architecture.org/

今回の渡米にあたって初めて知ったのだが、シカゴは近代建築で知られる町という。それまでの知識ではシアーズタワーしか知らなかったが、事前学習の結果、実に豊かな建築の町であることを知り、まずはこの財団を訪れた次第。

ここでシカゴの建築物を組み立てられる絵葉書を購入した後、次はシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)を片目に見つつまずはホテルへ。

チェックインもそぞろに、2009 AAS Conference Meetings of the Council on East Asian Libraries (CEAL) の会場となるSheraton Hotel in Chicagoへ。

ここで母校である国際基督教大学ICU)の卒業生(同窓生)でアメリカの図書館で働く方々とランチを兼ねたプチ同窓会を持つ。参加者は、

の4名。このうち同窓生は坂井さん、山田さん、森本さんの3名。国際基督教大学ICU)の卒業生に日本の図書館業界で出会うことはあまりないだけに、嬉しい驚きがあった。皆さんの歓待に感謝。

昼食会の後は、Committee on Public Servicesを半分ほど聴講して退席。明日の自分の講演会場となるChicago Ballroom Xが想像以上に大きい。動揺しつつホテルに戻って明日の講演資料の微調整に没頭する。

もうじたばたしても始まらないと割り切れるところまで手を加えたところで、気分を変えてミレニアム・パーク(Millenium Park)を経てシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)まで歩いてみた。ミレニアム・パークには非常に面白いアート作品がある。写真をご覧いただきたい。形状を表現し難いオブジェクトがあるわけだが、その表面は鏡のように磨きあげられ自分と背景の高層建築を少しゆがめて映し出してくれる。シカゴの町並みをもう一度見直せる上に、その風景に自分を映し出せるという趣向だ。これは面白い!オブジェクトと見学者の間にインタラクションを生み出すことをねらっているのだろうが、ものの見事にその狙いが果たされている。

シカゴ美術館ではもう閉館時間が迫っていたので、展示コーナーには入らずミュージアムショップをのぞいてみた。ミュージアムショップやライブラリーショップでは、その所蔵物をどれだけうまく使ったグッズがあるかに関心を持っており、正直展示よりもミュージアムグッズがお目当てのことがあるくらいだ。これまた『地球の歩き方』によれば、シカゴ美術館のグッズは相当人気があるらしい。これは期待に胸が高鳴る。

・The Museum Shop of The Art Institute of Chicago
http://www.artinstituteshop.org/

グランド・ジャッド島の日曜日の午後 スーラ(複製名画・F6号)

さて、結論から言えば、十分に満足できる内容だった。シカゴ美術館の所蔵作品の中でも有名なスーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』をあしらったバッグや所属作品の作家の署名を列挙したTシャツは当然のこととして、美術館の前にあるライオン像をあしらったトートバッグが秀逸。これは思わず買ってしまった。

・Seurat Tote
http://www.artinstituteshop.org/item.asp?productID=3096

ところで、シカゴ美術館は"The Art Institute of Chicago"と表記する。Museumではないことに注意したい。なぜ、Instituteなのか。その理由は、

・The Art Institute of Chicago - History
http://www.artic.edu/aic/aboutus/wip/

に詳しい。そう言えば、スミソニアン博物館も正式にはスミソニアン協会(Smithsonian Institution)だったことを思い出す。

その後は会場に戻り、みなさんと合流して夕食へ。最終的にはThe annual meeting of the Committee on Japanese Materialsを主管する中村治子さん(イェール大学日本研究司書)、マルラ敏江さん(UCLA日本研究司書)と明日の打ち合わせを兼ねつつ、幅広く歓談。楽しいひとときではあったが、さすがに明日の早朝からのセッションに備えて解散し、自分としてはずいぶんと早く床に就いた次第。