2009-08-09(Sun): 新しい生活−1週間を経て

7月限りで10年在職した会社を辞め、ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)に活動を一本化して1週間ちょっとが過ぎた。

・「在職10年・Yahoo! JAPANを退職しました。」(編集日誌、2009-07-31)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090731/1249046518

7月はまるまる有給消化期間だったので、実際はすでに1ヶ月以上、自由に過ごしているのだが、この1週間あらためて思ったことなどをメモ程度に。

つくづく思うのは、「縁」のありがたさだ。ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)は今後法人化するのだが、すでに様々な方面からお仕事の話を頂戴している。また、直接的な仕事でなくても、様々な場へのお誘いをいただくことも多い。そのどちらもが嬉しい。これまで縁があった方から、あるいは縁のなかった未知の方から、様々なお誘いが届く。「縁」のありがたさを想った瞬間、つい竹内まりやの名曲「縁の糸」が頭の中に流れ出す。私を取り巻く人々の存在に感謝するばかり。

縁(えにし)の糸(通常盤)
・「縁(えにし)の糸」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001H68KHQ/arg-22/

自分で時間管理できるということは難しい部分もあるが、それでも自由に時間を使えるという自由はなにものにも代えがたい。先日のように知り合いが上京すると聞けば出かけていき、さらに思わぬ出会いに発展していくこともある。

・「日本科学未来館を初めて見学し、ガンダムへ、そしてサイエンスカフェにいがたでの登壇確定」(編集日誌、2009-07-30)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090731/1249040618

このお出かけはその後、広がりがあって、ご一緒した内田麻理香さんが、

・「仕事と非仕事の境界」(カソウケンの科学どき技術どき、2009-08-09)
http://ameblo.jp/marika-uchida/entry-10317214466.html

を書いている。

仕事(研究)とそうでないもの、そんなものに境界はない。むしろ、境界がないグレーなところから「何か」が生まれるのだと思っています。
(中略)
きっかけになるのは、ぜーんぶ「人」。人から紐づけられるのが、体験だったり、書物だったり、イベントだったりする。それが核になって、新しい「何か」が生まれる……のかもしれない。

同感、同感。

境界なんて、人為的なものであって、わざわざ自分で線を引くことなんてない。自分をみてみても、いまある人とのツナガリは、Yahoo! JAPAN時代に培ったものもあれ、その前の編集者時代のものもある。そして、ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)によるものもある。でも、どのツナガリも、出会ったそのときどきにおいて、一々打算的になんか考えてこなかった。当たり前のことだけど。だから、組織に籍を置く人、特に雇われる立場にある人は、自分から好き好んで変な境界はつくらないほうがいいと、つくづく思う。

ちなみに内田さんの記事に触発された次の記事2本も必読。

・「「仕事と非仕事の境界」の重要性」(Science and Communication、2009-08-09)
http://sciencecommunication.blog.so-net.ne.jp/2009-08-09-5
・「会社の名刺とは別に、個人で名刺を作るとき。」(Beauty Science, Beauty Marketing.、2009-08-09)
http://ameblo.jp/wackyhope/entry-10317549006.html

「会社の名刺とは別に、個人で名刺を作る」は本当におススメしたい。肩書きはぜひ自分の好きなものを。私の場合、ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)編集長という名刺を10年以上前から持っていた。Yahoo! JAPANでも相当な枚数の名刺を人に渡したが、それでも世間での流通量?はACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)の名刺のほうがはるかに多いだろう。組織人とは別の自分を持ち続けるために、名刺は強い支えになるはず。

それはさておき。

日々の過ごし方は、自分にとって最高の退職祝いといえる

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
佐々木俊尚著『仕事するのにオフィスはいらない』(光文社新書、2009年、798円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334035159/arg-22/

を参考にしている。数々の著作を持つ佐々木俊尚さんだが、この本は本当に素晴らしい。おそらく読み手が置かれている状況や、今後の自分をどうしていきたいかという意識によっては、感想が異なるように思うが、働き方、ひいては生き方を考える上での最良の手引きの一つと思う。佐々木さんによれば、すでに増刷に入っているということで、ベストセラーは間違いなさそうだが、短期的に売りあがる本としてよりは、息長く読み続けられる一冊になってほしい。佐々木さん、素晴らしい本をありがとうございました。

退職後の1週間は、こんなことをつらつらと考えることができる時間だった。