広島大学原爆放射線医科学研究所と広島大学図書館、原爆・被ばく関連資料データベースを公開

広島大学原爆放射線医科学研究所と広島大学図書館が、原爆・被ばく関連資料データベースを公開した(2004-06-02)。1967年から1979年の間の中国新聞毎日新聞、読売新聞から、「原爆・被ばく」をキーワードとする新聞切り抜き記事を約31,500点、広島大学原爆放射線医科学研究所附属国際放射線情報センターが所蔵する原爆・被ばくに関連のある図書、雑誌の書誌情報を約6,200点、米国陸軍病理学研究所(AFIP)が収集し、後に日本に返還された原爆被ばく直後の広島の写真と関連する病理学写真を約1,200点収めている。データベースの作成・公開には、日本学術振興会の科学研究費補助金研究成果公開促進費)を受けている。なお、新聞切り抜き記事の著作権保護を理由に、以下のように利用資格の制限が設けられている。

(利用できる者の範囲)
第3条 このデータベースを利用できる者は、第1条の趣旨を理解し、次の各号の一に該当する教育、研究を目的とした者に限ります。ただし、読売新聞記事データについては、大学生以上の者しか利用できません。また、毎日新聞記事データについては、大学院生(学部生の利用は広島大学生に限る。)以上の者しか利用できません。
(1) 教育、研究機関に所属する者
(2) 原爆・被ばく、平和に関する調査を行う者
(3) その他、データベース作成協力新聞社、広島大学図書館長(以下「館長」という。)又は広島大学原爆放射線医科学研究所長が認めた者

趣旨は理解するが、新聞各社にはこの種のデータベースへのデータ提供を行う以上、もう少し理解がほしい。また、上記の規定では、たとえば日本学術振興会の科学研究費補助金研究成果公開促進費)の使途として、このデータベースの開発が適切であったのかどうか、市民が関心を持っても試用・評価ができないことになる。「利用できる者の範囲」にある「その他、データベース作成協力新聞社、広島大学図書館長(以下「館長」という。)又は広島大学原爆放射線医科学研究所長が認めた者」を柔軟に解釈し、運用できるだろうか。また、サイト上で利用申請をした後、郵送で本申請を行い、その後、審査結果が通知されるという流れは不便すぎる。データベースは使われてこそ意味があることを踏まえ、この申請・審査の流れは見直してほしい。

・原爆・被ばく関連資料データベース
http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/abdb/
・「原爆・被ばく関連資料データベース」作成決定(2003-06-24)
http://www.bur.hiroshima-u.ac.jp/~koho/new/press_h15/030624-2.html
・「原爆・被ばく関連資料データベース」の公開並びに記念式典の開催について(2004-05-27)
http://www.bur.hiroshima-u.ac.jp/~koho/new/press_h16/040527.html
広島大学原爆放射線医科学研究所
http://www.rbm.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html
広島大学図書館
http://digital.lib.hiroshima-u.ac.jp/
・原爆・被ばく関連資料データベース公開のお知らせ(2004-06-02)
http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/topics/abdb.html