2005-03-02(Wed):

労働政策研究・研修機構のコラムに、本多則惠「インターネット調査法についての一問一答」が掲載されている。先日、新聞でも報道されていた「インターネット調査は社会調査に利用できるか」という実験調査による検証結果について、調査にあたった同機構の本多則惠さんが一問一答形式で詳細を解説している。多大な経費をかけて調査を行った以上、また謝礼の有無に関わらずモニターの手を煩わせた以上、このように調査結果を継続的に社会に発信していく取り組みは当然行われるべきだと思うが、実践できているところは少ない。その意味で、非常に知的な誠実さにあふれた取り組みだと思う。なお、この調査に対する追試や別の方法での分析を行えるように、調査結果の個票データ(調査の質問に対して回答者が実際にどのように回答したかがわかるデータ)を近日中に公開する予定という。これもすばらしい。個票データの公開の意義については、本誌でも小笠原盛浩さん(当時、郵政研究所情報通信システム研究室研究官)に「個票データ公開の意義と方法」を寄稿していただいたことがある(本誌第036号、1999-07-25)。また個票データの公開事例としては、東京大学SSJデータ・アーカイブなどがある。その他の事例は、東京大学SSJデータ・アーカイブのリンク集に詳しい。
さて、個票データの話とは別件だが、労働政策研究・研修機構のコラムは掲載の仕方にもう一工夫ほしい。現在最新のコラムはhttp://www.jil.go.jp/column/index.htmlというファイル名で公開されている。これが一定期間が過ぎ、新しいコラムが公開されると、バックナンバーとなって、http://www.jil.go.jp/column/bn/colum***.htmlと階層構造とファイル名が変更される(***部分は数字。コラムの通し番号と思われる)。これでは、たとえば今回のように、「インターネット調査法についての一問一答」というコラムを紹介して、http://www.jil.go.jp/column/というURLにリンクした場合、新しいコラムが公開されれば、リンク元の記事とリンク先が内容が食い違ってしまう。別にこの編集日誌に限らず、ぜっかくの紹介の機会をみすみす失うことになり「もったいない」。ここは、直接コラムにリンクされること、そしてそのリンクが先々も生き続けるように、最初からhttp://www.jil.go.jp/column/bn/colum***.htmlというファイル名でも公開したほうがよいだろう。

・本多則惠「インターネット調査法についての一問一答」
http://www.jil.go.jp/column/
(リンク先が別のコラムの場合は、おそらく以下のURL)
http://www.jil.go.jp/column/bn/colum029.html
・「インターネット調査は社会調査に利用できるか ― 実験調査による検証結果 ―」(2005-02-08)
http://www.jil.go.jp/institute/reports/2005/017.html
労働政策研究・研修機構
http://www.jil.go.jp/
・小笠原盛浩「個票データ公開の意義と方法」(本誌第036号、1999-07-25)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/036.html
東京大学SSJ データ・アーカイブ
http://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/