2005-08-03(Wed):

『原爆の図』『アウシュビッツの図』『水俣の図』(丸木位里丸木俊)を展示する原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)の存続が危ぶまれている。「原爆の図丸木美術館存続への支援のお願い」によれば、存続問題の原因は財政難にあるという。確かに、「2003年度丸木美術館収支決算」をみると、当期収入の合計が約3300万円に対し、当期支出の合計が約3400万円と、約100万円の赤字となっている。「支援のお願い」は、赤字の主たる原因として「入館者の減少による赤字と施設の維持改修」を挙げているが、支援を訴える以上、入館者の減少傾向のようなより詳しい情報がほしいまた、他に要因はないのだろうか。「支援のお願い」を含め、同館のサイトには記載されていないが。たとえば、友の会の会員数の増減傾向や職員数と人件費の推移はどうなっているのだろうか。緊急に支援カンパを行うことは、それはそれでよい。だが、財政事情をこまかく明らかにしなければ、継続的な支援や大規模な支援は得にくいのではないだろうか。展示内容もさることながら、都幾川の川べりにあり、せせらぎの音が聞こえる同館は、一つの美術館として理想的な環境にある。ぜひ事業を継続してほしいとは思う。だが、それだけに情緒に訴えるのではなく、確固たる支援をとりつけられる明確な説明を望みたい。

・原爆の図丸木美術館存続への支援のお願い
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/top/shien.htm
・2003年度丸木美術館収支決算
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/data/syushi.htm
・原爆の図丸木美術館
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/