2006-02-05(Sun): 友がつなぐ故人の仕事 −『アメリカ人であるとはどういうことか』刊行

アメリカ人であるとはどういうことか ―歴史的自己省察の試み』(マイケル・ウォルツァー著、古茂田宏訳、ミネルヴァ書房、3360円)という翻訳者が刊行された。この本は故・辻内鏡人さんが研究していたもので、今回辻内さんの友人である古茂田宏さんの手で翻訳された。辻内さんをご記憶の方はどれくらいいるだろうか。2000年の12月、自動車による傷害致死事件で亡くなったアメリカ史の研究者である。当時は一橋大学の教員だった。今回の翻訳は、残されたゼミ生が辻内さんの遺志を継いで発案し、それを古茂田さんが請け負ったという。
ごく一瞬ではあったが、故人にお世話になり大いに励まされた者として、翻訳書の刊行を喜びたい。本自体、非常に刺激的なタイトルであり、9・11事件以降のアメリカのあり方を考えるうえで最適なテキストの一つという評判を聞く。一人でも多くの方が手にしてほしい。

・『アメリカ人であるとはどういうことか ―歴史的自己省察の試み』(マイケル・ウォルツァー著、古茂田宏訳、ミネルヴァ書房、3360円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4623045307/arg-22/
・追悼・辻内鏡人 1954-2000
http://www.ne.jp/asahi/stnakano/welcome/Tsujiuchi.html