2006-02-16(Thu): 図書館サイトは、一工夫でさらに向上する

専門図書館のサイトをときおりみてまわるが、江戸東京博物館図書室のサイトが充実してきている。特にレファレンス事例集がいい。このレファレンス事例集は国立国会図書館が運営しているレファレンス共同データベースに参加しており、レファレンス共同データベースからも江戸東京博物館図書室のレファレンス事例を検索・閲覧できるようになっている。
話がそれてしまうが、レファレンス共同データベースは非常に意義のあるプロジェクトだと思うが、レファレンス共同データベースというサイト自体にはまだ課題が多い。まずはレファレンス事例を有する各地の図書館がもっと参加したくなるようなサイトづくり、極端なことをいえば、自館のサイトでのレファレンス事例の公開をとりやめ、レファレンス共同データベースにリンクしたくなるくらいのサイトをつくらなくては、画期的に便利なものとはならないのではないか。参加館を爆発的に増やすには、サイトのインターフェースや機能がもう一段便利で役に立つものにならなければいけないだろう。せっかくの大規模な事業であるだけに、現状にはもったいない、という印象を受けている。
さて、江戸東京博物館図書室の話に戻ると、随所にもう一工夫があれば、もっと役立つものになると感じさせられる。
たとえば、メールマガジン江戸東京博物館ニューズレター」に記事「司書のオススメ!」を連載しているが、これまでの記事を再構成し掲載してはどうだろうか。連載記事が新たな読み物としてよみがえり、図書室のサイトの一コンテンツとなるとともに、メールマガジンの配信登録者も増えることだろう。
レファレンス事例集はブラウザのアドレスバーを出さないポップアップ形式で表示されているが、このページに直接リンクしたい人には不便だ。フレーム形式についても同様。たとえば、「初夢とは、いつ見る夢のことか」というレファレンス事例に自分のサイトやブログからリンクしたい人がダイレクトにこのレファレンス事例にリンクしにくい。
蔵書検索(OPAC)についても、一工夫がほしい。たとえば、現在開催中の「東京エコシティ―新たなる水の都市へ」展の図書リスト・リンク集が公開されている。リストには書名や著者名が記載されているが、ここから蔵書検索(OPAC)でその図書を検索した結果表示される書誌情報のページにリンクしてもよいだろう。リンク先となる書誌情報のページの充実もあわせて必要となるが、蔵書検索(OPAC)へとリンクすることでより詳しい書誌情報に利用者を誘導できる。
こういった一工夫の必要性は別に江戸東京博物館図書室に限ったことではなく、図書館のサイトにはしばしば見受けられることだ。図書館サイトの運営者の方々には、ここで指摘した点を手始めに、ぜひ一工夫を心がけてほしい。

江戸東京博物館図書室
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/shisetsu/library/
・レファレンス事例集
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/shisetsu/library/reference/
・レファレンス共同データベース
http://crd.ndl.go.jp/
国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/
江戸東京博物館ニューズレター
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/mailmag/
・「東京エコシティ―新たなる水の都市へ」展
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/dai2/2006/0127/0127.html
・「東京エコシティ―新たなる水の都市へ」展 - 図書リスト・リンク集
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/shisetsu/library/list_kikaku_water.html
江戸東京博物館図書室OPAC
http://edo-tokyo-museum-lib.opac.jp/
江戸東京博物館
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/