2006-04-03(Mon): 働くということ −A Rolling Stone Gathers No Moss.

就職して働いている人を社会人というのは好きではない。働いていようがいまいが、だれもが社会を構成する一員である。だれもが社会人ではないか。働いている人という意味では、職業人という言い方がふさわしい。
さて、一浪しているので満23歳で働き出している。つまり、今年で職業人生活が10年目になる。来し方をふとふりかえってみる。

1997年3月:国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。
1997年4月〜1998年3月:株式会社教育開発研究所。「教職研修増刊号」「教職研修」の編集を担当。
1998年4月〜1999年4月:フリーランス。学術論文の翻訳、英和辞典の校正、出版社サイトの構築・運営、学会開催の請負等を担当。この頃の代表的な仕事に『外国語になった日本語の事典』(加藤秀俊熊倉功夫編著、岩波書店、1999年)、『NEW斎藤和英大辞典』(斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編、1999年)、「宗教と社会」学会第7回学術大会(1999-06-12〜1999-06-13、於・国際基督教大学)がある。この間にACADEMIC RESOURCE GUIDEを創刊(1998-07-11)。
1998年12月〜1999年5月:サイバースペース・ジャパン株式会社。専門ガイド型の検索エンジン「iNET Guide」の立ち上げに参画。「学術へのWeb利用」の設置を提案し、自身ガイドを担当。
1999年5月〜:インターネット関連企業。データベースの編集、新規サービスの企画・運用、サービス作成のガイドライン策定など。
(編集者・発行者の経歴より)

編集者を志してスタートした職業人生活だが、ずいぶんと変転してきたものだ。最初の2年間は実に転々としていたが、いまの勤め先には気がつけば7年在籍している。社員100人に満たない企業だったが、いまは約2000人に拡大し、自分自身もこの年にしてすっかり古株の一人になってしまった。
ここでまたふと思う。自分が苔むしていないだろうか? と。

A Rolling Stone Gathers No Moss. (転がる石に苔むさず)

イギリス英語とアメリカ英語で意味が逆というが、いずれの意味にせよ、いまいる場所で年齢を重ねたことで、苔むして輝いている部分もあれば、苔むしてくすんでいる部分もあるだろう。いまの仕事は十分に楽しい。様々な点で恵まれてもいる。
だが、それが本当に自分のやりたいことなのだろうか。いま、一生懸命に本を書いているだけに、その思いが強い。やりたいこととやれること、そのバランスをいまのままで進むのか、あるいは思い切ってバランスを変えて進んでみるのか、この1年で職業人生活が丸10年を迎えるからこそ考えたい。

・編集者・発行者の経歴
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/help.html