日本科学未来館、ウェブマガジン「deep_science」(ベータ版)を公開

日本科学未来館ウェブマガジン「deep_science」(ベータ版)を公開した(2006-08-04)。日本科学未来館によれば、

日本科学未来館のスタッフが、常日ごろ行っている展示のためのリサーチ活動等のなかから、とくに注目する科学技術情報や研究者情報などについて自ら取材・執筆を行い、広く一般の方々に向けてご紹介するサイト
(このサイトについて - 日本科学未来館のスタッフによる科学技術情報サイト)

と定義されている。
サイトは特集やインタビュー、キーワード解説などから構成されており、スタッフの取材に基づいた記事を発信している。ちなみに、初回の特集では「深海の科学」をとりあげ、異分野の人物に対するインタビューには映画「日本沈没」のリメイクで話題を集めている小松左京さんが登場している。記事内容についての評価は、サイエンスライターや科学者のコメントに譲るが、せっかくの取り組みであるだけに更新頻度の遅さが気になる。ほとんどの記事は月一回程度の更新を予定しており、これより頻度が高くても月二回の更新予定にとどまっている。この更新頻度では、たとえばBSE問題のように突発的に科学的な発信が求められる事態になったときに対応できないのではないか。そしてなによりも読者の関心を維持できないのではないだろうか。もちろん、各記事の更新タイミングをずらすことで、常時新しい記事が掲載されている更新感を出すこともできるだろう。そこは編集の腕のみせどころともいえる。RSSによる更新情報の配信も行われているので、時折RSS経由で新しい記事の公開に気づけるような更新頻度を期待したい。
ところで、このdeep_scienceは、科学技術情報の効果的なコミュニケーション方法を研究するため、東京大学佐倉統研究室、慶應義塾大学の脇田玲研究室、IAMAS岐阜県立国際科学芸術アカデミーの古堅真彦研究室と共同して研究開発を行っているという。それぞれの研究室の研究テーマは、

佐倉統研究室:
 ウェブ上でコミュニケーションを活性化する手法
・脇田玲研究室:
 リアルカフェおよびヴァーチャルカフェで参加者の意見を可視化する手法
古堅真彦研究室:
 インタラクティブで効果的な情報デザイン

となっている。日本科学未来館スタッフとの共同作業部分を含め、大学の研究室が実際の科学コミュニケーションの場でどのように機能しているのか、ぜひ詳細をレポートしていってほしい。

・deep_science(β版)
http://www.deepscience.jp/
・「ウェブマガジン「deep_science(β版)」創刊!」
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/info/2006/if_0804_01.html
・このサイトについて
http://www.deepscience.jp/about.php
・サイトポリシー
http://www.deepscience.jp/policy.php
佐倉統研究室
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/sakuralab/
・FuRuKaTics(古堅真彦さん)
http://furu.imrf.or.jp/
・脇田玲さん
http://web.sfc.keio.ac.jp/~wakita/index-ja.html