2006-11-20(Mon): 慶應義塾大学と共立薬科大学が合併というニュース

慶應義塾大学共立薬科大学が2008年度を目途に合併することを前提に協議に入っているという。両大学ともいち早く大学公式サイトに説明を掲載している。共立薬科大学との統合を前提にしているのだろうが、慶應義塾大学は薬学部と大学院薬学研究科を設置する方針のようだ。

・「学校法人慶應義塾と学校法人共立薬科大学は、合併を前提として協議に入ることで合意」(慶應義塾2006-11-20
http://www.keio.ac.jp/news/061120.html
・「共立薬科大学慶應義塾との合併について」(共立薬科大学2006-11-20
http://www.kyoritsu-ph.ac.jp/news/061120.html

発表と報道にあわせた記事掲載には、大学の公式サイトが企業サイト並みの広報体制になりつつあることを感じる。

ところで、今回初めて知ったが、共立薬科大学には附属薬局という施設がある。薬科系大学の附属薬局は他にもあるようで、サイト上で確認できただけで以下の3大学に附属薬局が設置されている(東京薬科大学にも附属薬局があるようだが、サイトは確認できなかった)。

共立薬科大学附属薬局(2001年4月設置)
http://www.kyoritsu-ph.ac.jp/pharmacy/atph.html
大阪薬科大学附属薬局(1999年11月設置)
http://www.oups.ac.jp/shisetu/drugstore/
・岐阜薬科大学附属薬局(1998年9月設置)
http://www.gifu-pu.ac.jp/fuzokuy/

・日本薬学会 - 薬系大学付属の薬局について
http://www.pharm.or.jp/hotnews/archives/2000/03/post_112.html

設置が一番古いのは岐阜薬科大学附属薬局(1998年9月)だが、共立薬科大学附属薬局(2001年4月)は大学構内に設置されているということがポイントらしい。ちなみに「臨床能力向上に向けた薬剤師の養成」をテーマにした「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」には、「附属薬局を活用した臨場感溢れる実践教育 −人間性豊かな安全で確実な薬物療法を提供できる実践型薬剤師の養成−」を掲げた岐阜薬科大学が選ばれている。

・地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/chiiki/06021612.htm


この附属薬局の役割だが、まずは学生の実習を行う場として必要とされているようだ。詳しい理由は不明だが、国立大学の薬学部は制度上、附属薬局を設置できないため、金沢大学では別に設立したNPO法人健康・環境・教育の会(HEART)の手によって、アカンサス薬局という薬局を設置している。

アカンサス薬局
http://www.kanazawa-univ-pharm.jp/acanthus/
NPO法人健康・環境・教育の会(HEART)
http://www.kanazawa-univ-pharm.jp/heart/

とはいえ、多数ある薬科系大学や総合大学の薬学部がそれぞれ独自の薬局を持つことは現実的ではないらしく、

・病院・薬局実務実習調整機構
http://www.yaku-kyou.org/hos_drug/

といった組織もある。また、附属薬局とは直接関連しないのだろうが、文部省(当時)のハイテクリサーチセンター整備事業に採択された

東京薬科大学ドラッグラショナル研究開発センター
http://www.drc.toyaku.ac.jp/

という施設もあるようだ。