2007-01-13(Sat): 巨人の肩に「立ったのか」「乗ったのか」

2月に発行される雑誌に書いた記事の中で使った表現が正しかったのか、急に不安になりいろいろと調べてみた。使った表現は「巨人の肩に乗る」。ニュートンが使った言葉として知られるが(使用例の初出は12世紀まで遡るらしい)、最近ではGoogle Scholarのトップページに記されたことで話題となった表現である。
さて、気になったのは「Standing on the shoulders of giants」の「Standing」の日本語訳としては巨人の肩に「乗る」と「立つ」のどちらが定着しているのかということだ。ちなみに、Google Scholarでは「巨人の肩の上に立つ」と訳されている。また、最近行われた大規模なシンポジウムは「デジタル巨人の肩の上に立つ」と銘打たれている。他方、『巨人の肩に乗って −現代科学の気鋭、偉大なる先人を語る』(メルヴィン・ブラッグ著、熊谷千寿、長谷川真理子訳、翔泳社、1999年)という本もある(原題はOn Giants' Shoulders: Great Scientists and Their Discoveries from Archimedes to DNA)。googleで検索してみると、「巨人の肩に乗る」が約6800件、「巨人の肩に立つ」が約7500件で伯仲している。さてさて、どちらが適訳なのだろうか。

Wikipedia - Standing on the shoulders of giants
http://en.wikipedia.org/wiki/Standing_on_the_shoulders_of_giants
Google Scholar
http://scholar.google.com/
Google Scholar(日本語版)
http://scholar.google.com/intl/ja/
・『巨人の肩に乗って −現代科学の気鋭、偉大なる先人を語る』(メルヴィン・ブラッグ著、熊谷千寿、長谷川真理子訳、翔泳社、1999年、2310円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4881357883/arg-22/